また、新しいテクノロジーは、米連邦預金保険公社(FDIC)が、金融機関が破綻した場合に一定額の預金などを保護する預金保険制度の1口座あたり25万ドル(約3350万円)という古い上限を、不合理なものにしている。中には、資金を数多くの銀行に分散することで、(抜け穴を利用する)「規制の裁定」をする企業もある。規制当局の仕事を信頼していた人々の犠牲の上に、彼らに報酬を与えるのは正気の沙汰とは思えない。

 一生懸命働いて、人々が欲しがるような新製品を導入した人たちが、銀行制度が失敗したという理由だけで倒されるというのは、国としていかがなものであろうか。安全で健全な銀行システムは、現代経済の必須条件であるにもかかわらず、米国では信頼が得られているとは言いがたい。

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