ハリネズミの法則と弾み車の法則を利用している具体例には、どんな企業があるか?

コリンズ:たとえばアマゾン・ドットコムだ。eコマースから出発した企業だが、「銃撃に続いて砲弾発射」というもう1つの法則を通じてクラウドコンピューティング・サービスという新事業を追加した。銃撃に続いて砲弾発射とは、魅力的な新規事業が現れたとき一気にのめり込むのではなく、まず小規模な実験をして事業の有効性を確認することを指す。大きな賭けに出るのはその後だ。eコマースもクラウドの「アマゾン ウェブ サービス」(AWS)も、共にアマゾンにとってのハリネズミの3条件を満たしている。

 もう1つ例を挙げればディズニーだ。最初は映画やアニメーションを主力事業としていたが、その後テーマパーク運営へと広げていった。それぞれが3条件を満たしているかを考えれば、答えは間違いなく「イエス」だ。

 3条件を満たさない分野で大きな賭けに出て、失敗することは何としても避けなければならない。だが、条件を満たす新規事業、しかも胸の躍るような、さらには会社の長期的成長を可能にし、弾み車を拡張していくような事業に進出することには何の問題もない。

ネットフリックス創業者兼共同CEOも絶賛!

 経営書の名著『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの著者、ジム・コリンズ氏がスタンフォード大学経営大学院で教えていた1992年に記した名著があった。『Beyond Entrepreneurship』だ。日本語への翻訳・出版はされずにいたが、ネットフリックス創業者兼共同CEOのリード・ヘイスティングス氏が起業家に「86ページ分を丸暗記しろ」と言い、自身も毎年読み返していた本だった。
 そして今回、最新情報などを大幅に加筆して改訂したのが『ビジョナリー・カンパニー ZERO』だ。パーパス、ミッション、ビジョンの重要性、戦略の立て方、戦術の遂行の方法などを体系的に解説している。

この記事はシリーズ「『ビジョナリー・カンパニー ZERO』に学ぶリーダーシップ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。