やはり重要なのは決断力

 優先事項を決めるには、本当に重要なことは何かという困難な選択と向き合わなければならない。集中できない人が多い理由のひとつは、決断できない人が多いからだ。優先事項のリストからどの項目を削るか、決めることに二の足を踏む。しかしリストから積極的に項目を削る姿勢が必要だ。

 あるCEOは優先事項を選択できず、側近をやきもきさせていた。CEOはすべてをやりたがった。残念ながら、結局なにひとつうまくいかなかった。部下には20個もの「優先事項」を与えたが、実現するわけがない。あるマネージャーは、至極まっとうな不満を語った。

 20もの優先事項に「集中せよ」と言われた。だがそんなことは不可能だ。そこでCEOのところへ行って「このなかで一番重要なのはどれですか、すべてに取り組むことはできないので」と伝えると、黙り込んでしまった。困難な選択がどうにもできなかったからだ。

 このCEOはどうしてもリストから項目を「削る」ことができなかった。それには決断が求められたからだ。しかし、それこそ会社が必要としていたものだった。当然というべきか、この会社は先のインタビューからほどなくして重大な危機に直面した。

(訳=土方奈美)

ネットフリックス創業者兼共同CEOも絶賛!

 経営書の名著『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの著者、ジム・コリンズ氏がスタンフォード大学経営大学院で教えていた1992年に記した名著があった。『Beyond Entrepreneurship』だ。日本語への翻訳・出版はされずにいたが、ネットフリックス創業者兼共同CEOのリード・ヘイスティングス氏が起業家に「86ページ分を丸暗記しろ」と言い、自身も毎年読み返していた本だった。
 そして今回、最新情報などを大幅に加筆して改訂したのが『ビジョナリー・カンパニー ZERO』だ。パーパス、ミッション、ビジョンの重要性、戦略の立て方、戦術の遂行の方法などを体系的に解説している。

この記事はシリーズ「『ビジョナリー・カンパニー ZERO』に学ぶリーダーシップ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。