リーダーシップのスタイルはさまざま

 では、誰もが同じリーダーシップ・スタイルを身につけるべきだろうか。もちろん、そんなことはない。

 リーダーシップ・スタイルは、人それぞれの性格的な特徴で決まる。効果的なスタイルはたくさんある。有能なリーダーの中には物静かで内気で控えめな人もいれば、陽気で社交的な人もいる。とにかく活発で衝動的な人もいれば、慎重な人もいる。年配で賢明で経験豊かな人もいれば、若く勢いがあって向こう見ずな人もいる。人前で話すのが得意な人もいれば、あがり症の人もいる。カリスマ的な人もいれば、そうではない人もいる(リーダーシップとカリスマ性を混同してはいけない。両者は別物だ。きわめて有能でもカリスマ的ではないリーダーもいる)。

 マハトマ・ガンジー(きゃしゃで穏やか)、エイブラハム・リンカーン(物憂げで思慮深い)、ウィンストン・チャーチル(激しさと不屈の精神力)、マーガレット・サッチャー(厳格で粘り強い「鉄の女」)、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(情熱的で雄弁)など、世界史に残るリーダーを振り返ると、そのスタイルは実に多様だ。だが、誰もがリーダーとしてきわめて有能だった。

 あなたらしいリーダーシップ・スタイルを身につけよう。別の誰かになろうとしたり、あなたにそぐわないスタイルを身につけたりする必要はない。ガンジーのように腰布を巻いて、聞き取れないほど静かな声で話すウィンストン・チャーチルを想像できるだろうか。

 反対に、ガンジーが葉巻をくわえて「神に与えられた力を振り絞って陸海空で戦う。それがわれわれの方針だ」と言い放つ姿を想像できるだろうか。いずれもばかげている。あなたが他の誰かのスタイルをまねようとするのも、同じぐらいばかげている。効果的なスタイルはあなたの内にある、あなただけのものだ。あなたとまったく同じスタイルの持ち主は2人といない。

(訳=土方奈美)

ネットフリックス創業者兼共同CEOも絶賛!

 経営書の名著『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの著者、ジム・コリンズ氏がスタンフォード大学経営大学院で教えていた1992年に記した名著があった。『Beyond Entrepreneurship』だ。日本語への翻訳・出版はされずにいたが、ネットフリックス創業者兼共同CEOのリード・ヘイスティングス氏が起業家に「86ページ分を丸暗記しろ」と言い、自身も毎年読み返していた本だった。
 そして今回、最新情報などを大幅に加筆して改訂したのが『ビジョナリー・カンパニー ZERO』だ。パーパス、ミッション、ビジョンの重要性、戦略の立て方、戦術の遂行の方法などを体系的に解説している。

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