デジタル産業革命に突入する2020年からの今後30年間、大きく変化するのはDX(デジタルトランスフォーメーション)だけではありません。もう一つの大きな変化が起こります。それは新型コロナウイルス禍によって世界中の人々が立ち止まり、社会や人類、地球について考えを巡らせる機会を得たことで生まれた意識の変化です。
世の中では持続可能性、いわゆるサステナビリティーの精神が一気に高まっています。従来の経済成長一辺倒の資本主義の次を模索する動きであり、ポスト資本主義ともいえます。サステナビリティーの価値観が広がったことで、注目すべき4つのトレンドがあります。
一つは地球環境です。今のまま人口が増え続け、経済成長を優先して自然を破壊し続けていては地球がもたないことに人類が気づき、行動を起こし始めました。また、格差是正の動きも広がっています。行き過ぎた資本主義により一部の富める人と、その他大勢の貧困層とに分断されてしまったことを是正しようと、大きなうねりが起き始めています。
そして、働き方です。在宅勤務、リモートワークが中心となり、大多数の人々が働き方、生活スタイル、生き方、考え方を変えました。最後に、分散化の流れです。
一つ一つ見ていきましょう。
地球環境を意識した消費活動へ移行
新型コロナで連日在宅を強いられた多くの人は時間を持て余し、不要な物を売ったり、捨てたりする断捨離を進めました。その過程で多くの人が気づきを得ました。
今まで良しとされ、当たり前とされてきた大量生産・大量消費社会に疑問を持ったわけです。必要な分だけ使おう、リサイクルしよう、シェアしようという気持ちが芽生えているようです。
高度経済成長やバブル経済のころは、とにかく稼いで消費する時代でした。筆者が子供のころはまだ家庭用エアコンや自動車がなく、テレビも白黒でした。海外旅行に行くこともありませんでした。
あれが欲しい、これが欲しいと、物質的により豊かな生活を求めていた時代です。
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