モビリティーの先にあるVR
モビリティーの先にある未来の一つは「VR(仮想現実)」です。現在は旅行といえば自動車、電車、飛行機などの交通手段を用いるのが常識です。2020年の初めから全世界に広がった新型コロナウイルスのパンデミックで、現在は数多くの国が移動に制限を課していますが、先進的な旅行会社は周囲の様子を写真で確認しながら経路をたどれる「Googleストリートビュー」などを使って、世界の観光地を巡る疑似体験サービスを提供し始めています。
観光地に詳しいガイドがその街でお薦めのレストランのメニューを説明するなど、まるで現地にいるかのような臨場感たっぷりの体験ができます。また、ドローンでの撮影映像など、現地を実際に訪問してもなかなか見られない迫力映像などを組み合わせると、実際の体験以上の興奮も味わえます。
実際の旅費と比べるとわずかなコストで疑似体験できるメリットも大きいでしょう。世界一周旅行や世界遺産を巡る旅行などは、現実には時間的にも、コスト的にも難しく、ほとんどの人にとって願望で終わっていたと思いますが、オンライン旅行での疑似体験ツアーでなら世界中を見て回ることが可能になります。近い将来、SF映画などでよく見る光景のVR機器を装着することで、さらに臨場感ある形で世界中を仮想的に旅行できるようになるでしょう。
筆者が代表取締役会長を務めるデジタルホールディングスは、2019年だけで約250人の方を中国最先端デジタル事情視察ツアーにお連れしましたが、コロナ禍の影響で現在では止まっています。そこで、子会社のデジタルシフト(東京・千代田)が現在、バーチャル中国視察ツアーという疑似体験サービスを提供しています。
現地で撮影した動画や静止画を組み合わせ、現地事情に詳しい専門家による経営的視点を交えた説明が受けられるほか、現地スタッフによるロボットホテルでの無人接客やロボットタクシーへの乗車実演などを見ることで、現地を訪問したかのような体験と知見をオンライン上で得られるサービスです。
これまで中国の視察ツアーでは数十万円の費用がかかっていましたが、オンラインではわずか数時間、数万円で利用できるため好評です。このように、今後は様々な旅行体験がオンラインで提供されるようになるでしょう。
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