日本人は魚介類が大好きだ。動物性タンパク質の摂取量に占める魚介類の割合は3割を超え、世界トップクラスである。その半面、日本の水産業は衰退し続けている。漁業・養殖業の生産量は2020年に423万トンとなり、ピーク時の1984年と比べて3分の1まで減った。国際競争力の低さや、高齢化に伴う漁業者の減少などが原因として挙げられる。岩手県滝沢市のベンチャー企業、炎(ほむら)重工はロボットを使って作業を自動化することで漁業・養殖業をよみがえらせようと奮闘する。創業者の古澤洋将代表取締役に水産業の未来を聞いた。

魚が泳いでいく方向をコントロールするシステムを開発しているそうですが。
炎重工の古澤洋将代表取締役(以下、古澤氏):「生体群制御」という商標で、魚群を誘導するシステムを開発しています。水中にたくさんの電極をマトリクス状に配置し、微弱な電気刺激を発生させるタイミングと場所を制御することで、魚群を任意の方向へと誘導します。
水産業にはどう生かせるのでしょうか。
古澤氏:例えば湾内の全体に電極を配置します。魚の大きさによって反応する電気の強さが異なるので、捕獲するのに適したサイズに成長した魚だけを、特定の水域に導くことができます。そこに網を仕掛けておけば、簡単に水揚げ可能です。人手をほとんどかけずに、大漁も夢ではないでしょう。
実用化のメドは?
古澤氏:まだしばらく時間がかかりそうです。必要な開発資金が集まれば、きっとできると思うんですけどね。
マリン(海洋)ドローンも開発しているとか。
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