これまで流域を巡る制度や法律、組織は、不便があってもほとんど手を付けられていませんでした。なぜか。それは、流域に様々なステークホルダーが存在するからです。管理者となる国や地方自治体に加えて、水を活用する農業者や漁業者、林業者、企業、住民といった当事者がいます。「水戦争」という言葉があるように、それぞれが主張する水利権を調整するのは簡単ではありません。

 ただ、悠長なことは言っていられません。18年の「西日本豪雨」では、愛媛県の野村ダムと鹿野川ダムを緊急放流しました。2つのダムは県内を流れる肱川(ひじかわ)にあり、国土交通省四国地方整備局が管理しています。18年7月7日朝、満水に近づいたダムに流れ込む雨水とほぼ同量を放出する「異常洪水時防災操作」を実施。その後、下流域の西予市と大洲市で計約3500戸が浸水し、8人が亡くなりました。

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