どうしてあの人は反対意見を聞けないのか、と思ったことはありませんか? あるいは、自分は反対意見を聞くのが苦手だと自覚している人もいるかもしれません。
 実は、人は自分とは異なる意見に対しては生理的に「脅威」を感じているという脳の実験データがあります。しかし、それを乗り越え、脅威を感じる相手の視点を受け入れることは、人間の器を大きくします。
 本稿では、『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』より、反対意見に関する項目を、一部抜粋、編集し紹介します。

反対意見に人間は生理的に「脅威」を感じる

 本気で相手の視点を理解してしまったら、自分の中にある大事なものを見失ってしまうのではないかと心配する人は多いものです。

 人が、自分と同じ意見の人やメディアに耳を傾ける理由は、ここにあります。同意できない持論を展開する人の話を、最後まで聞かずについ反論してしまうのも、そして腕ぐみ、ため息、呆(あき)れた表情などで自分が反対意見であることを表現するのを抑えられないのも、理由は同じです。

 自分の強い信念や考え方に異論を唱えられたり、自分が間違っているかもしれない気配がわずかにしたりしただけで、まるで存続にかかわる脅威であるかのように感じてしまうからです。

 ロサンゼルスにある南カリフォルニア大学の「脳・創造性研究所」の脳神経科学者らは、政治的スタンスを明確にしている被験者を数人集めました。調査では、fMRIスキャンを使い、被験者の政治的信念に反対意見を唱えられたときに脳の活動がどうなるかを観察しました。すると、まるでクマに追いかけられているときのように、脳が反応することがわかりました。

 つまり、私たちは反対意見を聞いたとき、「戦うか、逃げるか、すくむかといった反応」を起こします。そして、そうなってしまったら、何かに耳を傾けることはほとんどできなくなります。

反対意見にも耳を傾けるには何が必要なのか(写真:PIXTA)
反対意見にも耳を傾けるには何が必要なのか(写真:PIXTA)
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