今では海外からも起業家や投資家が集まり、ユニコーンの数も順調に増え始め、そして素晴らしいことに、学生の7割が起業に関心を持つといわれるようになりました。10年前とは違う国のようです(こういうのをtransformationって言うんでしょうね)。

 フランスは起業大国になった、といわれていますが、まだまだシリコンバレーや中国のレベルではありません。でも私が注目しているのは、日本と同程度であった国が、意志を持って改革を行い、5年で国を様変わりさせたということです。日本もできるに違いないと感じます。 

 特に若者の意識を変える上で有効だったのは、グザヴィエ・ニール氏というヒーローの存在です。ニール氏は毎日といっていいほどテレビに出て、起業って面白い、起業家ってクール、というイメージをつくっていきました。いや、ニール氏がつくったというよりは、国を挙げてニール氏をヒーローにしたように感じます。当時のフランスは起業家の層が薄く、もうテック系起業家といえばニール氏、新興起業家といえばニール氏という状況だったと思います。

 日本はヒーローが出るとやっかみがひどい、という話も聞きますが、大学院で親しかったフランス人から、嫉妬、やっかみ、出る杭は打つといえばフランスだ、と繰り返し聞かされました。そんな中でヒーロー役をしっかり果たしているニール氏の胆力も見事だと思います。

 日本にも既にロールモデルとなる起業家はたくさん生まれています。誰かにニール氏の役を担ってもらいたい。メルカリの山田進太郎さんなんて、本当に評判良いですよね。私は直接存じ上げませんが、私が大好きな人たちがみんな山田さんのことが大好きです。少しシャイだという噂も聞きます。あと、ユーグレナの出雲(充)さん。この方はミドリムシでジェット機を飛ばすんですから、すごいですね。着眼点も冴えてますが、泥臭い汗もかきます。米国のASTMという規格に合格しないと日本でもジェット燃料として認められないのですが、審査をしてもらうところまでたどり着くのに数年がかりの粘り腰の交渉をし、晴れてASTMの認める6番目のジェットエンジン製造法であるとのお墨付きを得たわけです。勝手に名前を出して、あとで叱られそうですね。でも出雲さんにはぜひ今日からYouTuberとなって発信してほしいです。

 若手も頑張っている。秋元里奈さんは日本の農業を変えたいと、大きな相手と相撲をとっています。そして何が何でも成功するために、自社サービス「食べチョク」の名前を少しでも広げるために、既に自らメディアに積極的に出て発信しています。ありがたいことです。

 出る杭は打たずに祝福しましょう。この人たちの未来にも多くの困難があると思います。そのような時も、どのように立て直していくのか、関心を持ってフォローし、できれば応援したり支援をしようじゃありませんか。辛い時にかけてもらう温かい言葉は知らない人からのものでも本当にありがたい。私たち皆にできることは多そうです。

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