副業として働く先は、社外だけにとどまらない。勤務時間の一部を使って同じ会社の別の部署やプロジェクトに携わる「社内副業」の取り組みを進めている大手企業もある。社内副業による人材交流で、縦割りで硬直化しやすい組織に新風を吹き込み、新規事業を生み出すことが狙い。社員が活動の場を広げて新しいことに挑戦することで、一人ひとりの自律性も養うことができる。
大手企業では本来の業務の枠を超えて新規事業に取り組んだり、別部署を兼務したりすることを奨励する動きが広がっている。各社の制度名は異なるが、一般的に「社内副業」と呼ばれる。勤務時間の2割を普段の業務と異なる仕事に充ててよいという米グーグルの「20%ルール」は有名で、20%ルールから数々のIT(情報通信)サービスが生まれた。
日本では丸紅が2018年から「15%ルール」を導入した。社員個人の意思で就業時間の15%を目安に、新たな取り組みに充てられる。デジタル・イノベーション室の上杉理夫室長は「丸紅の企業価値を高めるための活動だったら何でもOK。目の前の仕事に従事するだけでなく、中長期な視点で新しいことを手掛ける文化をつくりたかった」と狙いを語る。
制度設計では、米スリーエムを参考にした。グーグルが20%ルールの成果を評価に組み入れたのに対し、より自由度が高いのが特徴だ。丸紅では15%ルールの時間配分や上司への報告が自由で、個人評価に直接は影響しない。
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