今、かつてないほどの注目を集める副業。だが、一口に副業と言っても生計維持目的から自己研さん目的まで、様々だ。企業の生産性向上のためにはどのような副業のあり方が望ましいのか。副業研究の第一人者である東洋大学経済学部・川上淳之教授に聞いた。
【企業を鍛える「副業」 二刀流人材の生かし方】記事ラインアップ
(1)今や副業は当たり前―成長の手段として国や企業も重視
(2)副業導入で「自社に足りないもの」が見えてくる 東洋大学・川上教授(今回)
(3)副業を成長の源泉に ライオンとオムロンの「二刀流人材」攻略法
(4)丸紅、「社内副業」でタコつぼ回避 15%ルールで新事業を創出
(5)管理職、元社員、シニア…三井住友海上とダイハツの副業人材施策
(6)副業解禁する企業が注意すべきポイント リスク回避策
(7)「サラリーマン副業家」の税金 雑所得問題 どうする?
(8)やり手副業家のお手並み拝見! 3人の副業成功者を直撃
(9)月給4万円でプロ人材 都市部の副業人材が地方中小企業を救う
(10)副業で地方再生「福山モデル」 異業種10人採用から進化
(11)副業制度を生かすも殺すも企業次第 人材流動化時代のあるべき姿は
(12)社員の頑張りを副業解禁でごまかすな 大和証券グループ鈴木茂晴氏
(動画)12月12日号特集「副業で伸びる会社」を担当デスクが解説
現代の副業人材にはどんな特徴があるのでしょうか。
東洋大学経済学部川上淳之教授(以下、川上氏):「働き方改革」の中の副業は、高度なスキルを持つ正社員のものという印象が強くあります。しかし、副業の実態はパートタイム労働者など非正規雇用の方が行うものが圧倒的多数です。

二極化する副業人材
収入で見ると、本業での収入が年間250万円以下の層と、年間1000万円以上の層が副業を持つ割合が高く、二極化しています。高収入な人が専門的スキルを生かして副業を行う一方、本業収入の低さから副業を行う「ワーキングプア」の問題もあると考えられます。
中間層にあたる正社員の副業はまだまだ珍しい存在ですが、関心は2000年代から着々と集めてきました。新型コロナウイルス禍でテレワークが進んだことなどを背景に、副業の増加も示唆されています。ですが、副業をする人数はほぼ横ばいで「副業に興味はあるができていない」という状況が広まっているのです。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1032文字 / 全文2014文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「仕事とわたし 新しい働き方のカタチ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?