日本はなぜ少子化を止められないのか。内閣府が実施した調査を見ると、日本では子どもを持つことに対する経済的な負担が重く感じられており、性別による役割意識も根強く残っていることが分かる。ただ、国も企業も手をこまぬいているわけではない。今年10月には男性の育休取得を促そうと「産後パパ育休」が導入された。出産や育児にまつわる不安の解消は待ったなしだ。

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出生率2.95が示す「奇跡の町」の教え 「社会の宝」はこう増やす

子どもを持つことへの不安を解消できるか(写真:PIXTA)
子どもを持つことへの不安を解消できるか(写真:PIXTA)

 「(自分の国は)子供を生み育てやすい国だと思いますか」。内閣府は日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの4カ国を対象に、結婚や子育て観について国民意識を調査し、2021年3月に報告書を発表した。冒頭の質問はその一つだ。結果は──。

 日本で「とてもそう思う」もしくは「どちらかといえばそう思う」と答えた割合は38.3%と4カ国中で最低。一方、スウェーデンでは97.1%に上った。

 なぜ、日本は「育てづらい」のか。一つの要因として、家事・育児が女性の役割であるとの意識が日本ではなお根強いことが浮かび上がる。

 「小学校入学前の子供の育児における夫・妻の役割について(どう考えるか)」という設問で、日本は「もっぱら妻が行う」または「主に妻が行うが、夫も手伝う」と答えた人の割合が58.1%を占めた。スウェーデンは4.3%、フランス、ドイツは30%台だ。

 上智大学の鬼頭宏名誉教授によれば「1990年代になると先進国では女性の労働参画と出生率に(プラスの)相関が見られるようになった」という。ただ男女の役割分担意識が残る日本はこの動きから取り残された。

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 流れを変えるカギになりそうなのが「産後パパ育休」だ。10月1日に施行された改正育児・介護休業法で新たに導入された制度で、従来の育休とは別に子どもの出生後8週間以内に最大4週間、取得できる。「男女とも育児休業をとるのがあたりまえの時代」(厚生労働省)を目指して整備された。

マツダ、パパ育休を後押し

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