エージェントB(以下B):コロナ下で、転職理由が以前は職場の居心地重視だったものが、個人的な目標重視へと変わっています。転職サービス「doda」で調査されたランキングでは、緊急事態宣言前の20年1~3月の転職理由の1位が「社内の雰囲気が悪いから」でしたが、緊急事態宣言後の20年4~8月では「給与が低い・昇給が見込めないから」に変わりました。このランキングで注目すべきなのは「スキルアップしたい」という項目が緊急事態宣言前の6位から2位に急浮上したことです。

「ゆるブラック」に反感

働きやすいが成長もない、という企業のことをいわゆる「ゆるブラック」と呼ぶことがあります。自分が成長できているかどうか、といったことに危機感を抱いているということですね。

B:そうですね。実際に最近、コロナ下で将来の見通しが不透明になっていることもあり、ステップアップを目的とした大手からの転職も多いです。大手日用品メーカーのマーケティングというまさに花形の職場だったにもかかわらず、ブランド力が強すぎて「もっと自分のスキルが試せる所に行きたい」と転職活動をした20歳代後半の女性がいました。電機業界で国内最高レベルの年収の企業に入った20歳代の男性は、会社自体は研修制度が体系化されていましたが、実質的な業務に関われるスピードが遅く「自分の成長につながりづらい」とスタートアップに移りました。

経験重視の転職が増えている(写真:PIXTA)
経験重視の転職が増えている(写真:PIXTA)

エージェントC(以下C):確かに働き方の見直しはコロナ下で加速しましたよね。やりがいや成長を求めた転職は20~30歳代半ばが多いです。正しく評価されない、裁量が欲しかった、首都圏で大きな仕事がしたい、などが主な転職理由です。最近では金融や保険の人がIT業界に多く流れています

 個人的には「やりがい不足」は10年前くらいから20~30歳代を中心に増えているように感じます。やりがいの定義はいろいろですが、一番は業務内容と報酬のバランスが取れているかどうか。つまりスキルアップ、成長、裁量権のある業務内容に見合った報酬をもらえているかどうかということです。保険の営業など高年収がやりがいになる人もいますが、それは少数派です。お金よりもやりがいに意義を見出し、年俸制やジョブ型など成果報酬制度のある企業を選ぶ人もいます。残業している人のほうが多く給料が入る職場だと効率よく働く意欲がうせますよね。解決策として、成果報酬制度や裁量労働制が必要なのではないでしょうか。

次ページ 新社会人の転職サービス登録は10年で 二十数倍に