1.97。4月、伊藤忠商事は働き方改革の成果の一つとして社内出生率を公表した。「朝型勤務」の導入が転機となり、出生率が急上昇したという驚きの内容だ。企業が成長を追求しながらも少子化対策に貢献できることを示している。
■連載ラインアップ
・少子化は企業が止める 出生数が激減、国任せではいられない
・伊藤忠、働き方改革で出生率2倍 生産性向上と子育ての意外な関係(今回)
・「伊藤忠ショック」に意義 少子化を止めるカギは企業にある
・キリンは模擬体験、大成建設は夫にも研修… 育児支援に当事者目線
・第5子出産に祝い金500万円 産み育てやすい職場が人材呼び込む
・出生率上げたフランス、スウェーデンに学ぶ 日本はまだやれる
・パパ育休は男女役割意識を破るか 「日本は子育てしやすい」4割のみ
・出生率2.95が示す「奇跡の町」の教え 「社会の宝」はこう増やす

「お先に失礼いたします」。午後4時過ぎ、伊藤忠商事の調達関連の部署で働く石井舞さん(仮名、40代)は、チームのメンバーに業務終了を伝え、会社を出る。20分電車に揺られて向かう先は、自宅の最寄り駅からほど近い保育園。子どもを引き取ると、一緒にスーパーに行き、夕食の材料を買って帰宅する。
6時に子どもと一緒に夕食を取り、その後お風呂に入る。8時には同じ会社で働く夫の拓海さん(仮名、44)が帰ってきた。拓海さんが子どもに数冊、絵本を読み聞かせすると、子どもは布団に入り、眠りにつく。
早く仕事を切り上げ帰宅する舞さんだが、労働時間は1日8時間以上で、フルタイム正社員だ。働く時間はしっかり確保している。舞さんはいつ働いているのか。
その秘密は伊藤忠が取り入れている、午前5時から8時までに就業をスタートする代わりに、午後8時以降の残業を原則禁止にする「朝型勤務」にある。
午前6時に始める「残業」
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