変身資産の把握とともに重要になるのが「自分の強み」を知ることだ。もちろん、今いる組織における自分の立場や周囲からの評価も強みを知る手掛かりになるだろう。だが、会社の中では当たり前に皆が習得している何ともないスキルが、社外では思わぬ宝となることも少なくない。それだけに、重要なのは自分を客観的に見ることだ。
■連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
・くすぶるな50代 ミドルと会社すれ違い、継続雇用イヤ7割
・グーグルなどリスキリングで連携 育てイノベーション人材50万人
・ブリヂストンやみずほ、ミドルを磨く 越境学習や兼業で経験開花
・元富士通SEはビール造りに手応え ライフシフトで夢に挑む50代
・元電通マン、故郷の活性化へ奮闘 挑むミドルを古巣や仲間が後押し
・50代で起業塾の門たたく 更年期の症状改善、事業で社会課題を解決
・ライフシフトの出発点は自分発見 悩むミドルの心のブレーキを探る
・赤坂の紫乃ママが説くミドルのスキル 生涯現役へ人の輪を広げよ(今回)
・「物価上昇」知る50代の活躍、消費活性化にも意義 識者に聞く
東京・赤坂の雑居ビルに、週に1度だけ昼間に開店するスナックがある。ミドル・シニア向け企業研修を数多く手掛けてきた木下紫乃氏が2017年に開業した「昼スナックひきだし」だ。
開店時刻の午後2時を過ぎると、50歳前後の会社員が「有給休暇を取って来た」と来店。その後も「営業のついでに立ち寄った」「在宅勤務で誰とも話さず仕事し続けるのがつらい」などと言いながら、次々に同世代の会社員が来店。10席ほどの店内があっという間に満員になった。

木下氏がスナックを開いた理由は、会社以外の世界とつながっていない、孤独な中高年会社員があまりにも多いことに気づいたからだ。「会社と家の往復だけで気づいたら20年がたってしまった」という人を何人も見てきた。
自らのスキルを知る
会社は定年後のキャリアまで用意してはくれない。自分はどういう能力を持つのか、逆に今後は何を身に付ければ生涯現役でいられるのか、早い段階から考え始めてほしい。社外の人とのつながりの中でヒントを見いだしてほしいと考えた。木下氏は「今いる組織を飛び出してもやっていける能力は誰にでもある」と話す。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り3015文字 / 全文3979文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「仕事とわたし 新しい働き方のカタチ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?