長年勤めた会社や、かつて仕事の苦労を共にした仲間らがライフシフトの背中を押してくれるケースもある。今回まず紹介する村松正基さん(57)は元電通マン。今は故郷の静岡県藤枝市と東京の間を頻繁に行き来しながら、藤枝市の町おこしに一役買っている。どんなライフシフトだったのか見てみよう。

■連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
くすぶるな50代 ミドルと会社すれ違い、継続雇用イヤ7割
グーグルなどリスキリングで連携 育てイノベーション人材50万人
ブリヂストンやみずほ、ミドルを磨く 越境学習や兼業で経験開花
元富士通SEはビール造りに手応え ライフシフトで夢に挑む50代
・元電通マン、故郷の活性化へ奮闘 挑むミドルを古巣や仲間が後押し(今回)
・50代で起業塾の門たたく 更年期の女性支援、働き続けて社会に恩返し
・ライフシフトの出発点は自分発見 悩むミドルの心のブレーキを探る
・赤坂の紫乃ママが説くミドルのスキル 生涯現役へ人の輪を広げよ
・「物価上昇」知る50代の活躍、消費活性化にも意義 識者に聞く

 会社とのつながりを保ちながら転身するという選択肢。そんなライフシフトを実現した一人が、55歳で電通を辞めて個人事業主となった村松さんだ。会社員人生に終止符は打ったが、電通が2020年に設立した子会社ニューホライズンコレクティブ(NH)の一員として会社との関わりを保つ。

 希望者は電通を早期退職し、個人事業主としてNHと最長10年間の業務委託契約を結ぶ。NHメンバーの大半は関心のある分野で事業を開発しつつ、NHが用意したマーケティングやリサーチ業務などをこなす。電通時代の半分近くの年収が平均的な固定報酬として約束されている。

元電通マンの村松さんは個人事業主として再出発。故郷の町おこしのために働いている(写真:村田和聡)
元電通マンの村松さんは個人事業主として再出発。故郷の町おこしのために働いている(写真:村田和聡)

 村松さんが個人事業主に転じるきっかけは、故郷の静岡県藤枝市の実家が再開発の対象区域に入ったことだった。当時43歳。地権者として地元で意見交換会に参加し、自治体の担当者らと議論を重ねた。

 その中で湧き上がってきたのは「藤枝のPRにもっと貢献したい」という思い。電通での経験が生かせるのではないか。再開発に携わりたいとの熱意はそれから十数年間、冷めることはなかったが、本業に時間を取られ、本格的に関われないでいた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3594文字 / 全文4546文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「仕事とわたし 新しい働き方のカタチ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。