1976年前後に生まれ、IT業界で存在感を示す「76(ナナロク)世代」。氷河期にいったん就職するものの、閉塞感から飛び出して起業した人材が多い。経営者として活躍する3人に、同じ世代へ送るエールを聞いた。
氷河期世代といわれますが、実感はあるのでしょうか。
ビジョナル社長・南壮一郎氏:氷河期世代やロストジェネレーション(ロスジェネ)という言葉は自分たちの世代が言っているのではなく、上の世代が言っていることだと思うんです。一時の景気がよかったころを基準にして語られている。私は氷河期という世代の感覚を特別に持ってきたことはなく、目の前の環境の中を生き抜いてきただけですね。
![南壮一郎[みなみ・そういちろう]氏](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/gen/19/00342/061000036/p1.jpg?__scale=w:500,h:333&_sh=0aa050d006)
マネーフォワード社長CEO・辻庸介氏:私の場合、就職はグローバルに進出している日本のメーカーにしようと考えてソニーに入社しました。入社してからは、バブル世代で上が詰まっているなというのは強く感じましたね。
SHIFT社長・丹下大氏:私は大学の時の就職活動で氷河期のつらさを結構、感じていました。会社の学生に対する目線は厳しかったように思います。「仕事ができないと許さないぞ」みたいな雰囲気でした。
特に理系で研究職を目指すとなると、大学院まで進まないと雇ってもらえず、11社くらいは落ちました。1次試験を通ったのは1社くらいです。「あれ、就活ってかなり厳しいな」と思いましたね。結局は大学院に進学し、金型分野の企業に入りました。
辻氏:同世代の鬱々とした空気は感じていましたよね。私たちの世代は閉塞感があると思います。
ベストを求めてサバイバル
1976年前後生まれで、起業に成功している人は「ナナロク世代」とも呼ばれています。何か共通する特徴はあると思いますか。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り3041文字 / 全文3764文字
-
有料会員(月額プラン)は初月無料!
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「仕事とわたし 新しい働き方のカタチ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?