終身雇用が揺らぎ、若者の「就社意識」も薄れゆく中、就活の在り方は変わらざるを得ない。大切なのは働き手も企業も成長すること。未来を見据えて出会いの仕組みをつくり直そう。
「知名度は高くないかもしれませんが、自分が営業として成長できると思いました」。都内の大学に通う石田加奈さん(仮名)は、事故物件の買い取り販売を手掛けるマークス不動産(東京・中央)に来春、就職する。
就活には「営業職志望で幅広い業界を受ける」というスタイルで臨んだ。当初は大学が主催する合同企業説明会に参加したが、興味を引く会社は少なかった。現場の働き方の詳細を尋ねても、ブラック企業と思われることを恐れたのか、曖昧な回答に終始した。残業が多かったり、高いノルマがあったりしても「成長できる環境なら受け入れる」覚悟の石田さんにとっては物足りなかった。
学生と社長が直接対話
経営トップから直接話を聞きたい──。そう思った石田さんは社長と就活生をマッチングさせるイベントに参加した。集まったのは社長6人と石田さんを含む学生約50人。6つのグループに分かれた学生のテーブルを各社長が回り、20分間ずつディスカッションした。
最後には、社長と学生が一緒に働きたいと思ったかどうか相手を5点満点で採点し合った。両者の合計点が一定の点数以上になった場合はマッチング成立だ。社長との食事会に参加できたり、優先的に採用面接を受けられたりする。

石田さんはここでマークスの花原浩二社長と出会った。同社は大手ハウスメーカーに勤務していた花原氏が2016年に設立した社員約50人の若い企業だ。
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