日立製作所が導入を決め、NECやパナソニックなども検討に着手したことで、注目を集める週休3日制だが、日本で人口が最小の鳥取県に先行ケースがある。米子市の不動産仲介・管理業、ウチダレックはDX(デジタルトランスフォーメーション)で働き方を変え、繁忙期を除いて週休3日を定着させた。大都市に先んじて人口減少が進む地方都市の中小企業がいかに事業を持続可能にするか。動機となったのは働き手確保をめぐる危機感だ。
契約書や重要事項説明書、いくつもの書類に何度もハンコを押して……。アパートやマンションを借りた経験から想像されるように、不動産業には大量の書類仕事がつきもの。そんな業界にあって、いち早くDX(デジタルトランスフォーメーション)を成し遂げたのが鳥取県米子市のウチダレックだ。DXをてこに週休3日制の導入をはじめとする働き方改革を進め、社員の定着につなげている。
ウチダレックの一連の改革の旗振り役は3代目に当たる内田光治・専務取締役。慶応義塾大学経済学部を卒業し、同大学のビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得した後、楽天を皮切りに複数のIT企業で働いていたが、2016年にUターンして家業に入った。
きっかけとなったのは宅地建物取引業法のガイドラインの改正だった。それまでは対面でとされていた重要事項説明がオンラインでも可能になったのだ。ならば、これまでの職歴を生かしてDXを進めて、ブラックと言われる業界の働き方を変える嚆矢になろうと勇んで帰郷したが、その道のりは平坦ではなかった。


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