家を建てたら転勤命令

(イラスト=高田 真弓)
(イラスト=高田 真弓)

 一番多かったのが「家を建てたら転勤になった」というエピソード。住宅ローンを抱えながら新築を手放せず、仕方がなく単身赴任を選ぶ人も多い。また、住宅補助など転勤に関する手当は企業によって差があり、同じエリアに赴任している他社の手厚さを聞いてあぜんとすることも。持ち家の住宅ローンのことを考えて気が遠くなる日もある。

「住宅を購入してすぐ転勤。賃貸に出したがその手続きや補修対処に苦労した(64歳、情報通信)」「不在時の持ち家の管理に加えて住宅ローン減税がなくなり不満を漏らす人が多い(46歳、製造)」

転勤で忠誠心をはかる?

(イラスト=高田 真弓)
(イラスト=高田 真弓)

 転勤を断ると他部署への異動や最悪退職を促されるケースが報告された。転勤を会社への忠誠心をはかるリトマス試験紙にしている企業もあるようだ。

「営業技術担当時代、語学力や妻の仕事などを理由に米国駐在を断ったら、畑違いの企画部門に異動になった(59歳、製造)」「結婚1年目で夫に転勤命令。単身赴任は経済的に難しいと断ったところ事実上の解雇に(24歳、その他)」「転勤か退職か選ばされることが珍しくない(55歳、情報通信)」

新しい出会い、そして離婚?

(イラスト=高田 真弓)
(イラスト=高田 真弓)

 既婚者が転勤先で別の相手に乗り換えたり、相手が単身赴任で不在になり、1人家に残されている間に別の人と関係を築いたりする人が一定数いる様子。独身の場合は、転勤が出会いの機会になっているともいえる。

「転勤先で“現地妻”“現地夫”ができて離婚する人が結構いた。破局となって離婚・再婚する人もいれば、明るみに出ずに二重生活を続ける人も……(55歳、情報通信)」「友人は転勤があるたびに彼女が代わっていた(29歳、流通)」

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