なぜ、育児か仕事かの二者択一にならざるを得ないのだろう――。出産後に男性と同じように働けず、昇進・昇給が遠のく「マミートラック」を選ぶ女性は多い。だが、一人ひとりが主体的にキャリアを形成していくことが前提の「ジョブ型」なら、育児を機に働き方を変えても結果を出し続けることが可能になる。結果ではなく、残業の多さで部下を評価することもやめよう。「情実人事」を排して実力主義に徹すれば、おのずと女性は輝く。

■主な連載予定(タイトルや回数は変わる可能性があります)
イオン、パート7%賃上げの衝撃 人件費はコストでなく投資
年収の壁は撤廃を 連合会長が激白「このままでは企業がもたない」
「今年の春闘を変革点に」 UAゼンセン会長が語る賃上げと年収の壁
日生、営業職5万人の給与財源増 「組織を維持できなくなる前に」
企業も国も主婦優遇を過去の話に 昭和女子大・八代特命教授に聞く
女性の推定年収ランキング、年収アップ額首位は「セールスフォース」
NTTもグリコもあなたの会社も 育児中だって女性は昇進できる
・日立と富士通、ジョブ型が女性活躍推進 もう昇進も昇給も諦めない(今回)
・スタートアップも男性優位社会 「出産の壁」を壊せ、女性起業家
・「売り場の魅力を高めるには賃上げが不可欠」ライフ岩崎社長

 メンバーシップ型からジョブ型へ──。日々の働きやすさに加え、求められる仕事と成果を明確化することで結果的に女性が働きやすくなる事例も増えている。

 ジョブ型では社員一人ひとりが主体的にキャリアを形成していくことが前提とされる。10年以上にわたってジョブ型の人材マネジメントを進めてきたのが、日立製作所だ。

 きっかけは前回(NTTもグリコもあなたの会社も 育児中だって女性は昇進できる)で取り上げたNTTと同様、生き残りへの危機感だ。リーマン・ショック時の08年度決算で、当時としては国内製造業で戦後最大となる7873億円の最終赤字を計上。男性中心の同質的な組織を改め、性別も国籍も関係なく、様々な経験や視点を持ち寄る経営への転換を決めた。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1867文字 / 全文2745文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「仕事とわたし 新しい働き方のカタチ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。