新型コロナウイルス禍で業績が大きく揺さぶられた日本企業。賃上げ余力があるのはどんな企業なのか、本誌は経営の効率性の目安となる労働生産性など複数の項目で独自に調査した。そのランキングを一気に紹介する。

 賃上げ余力の度合いを評価する今回の調査は、TOPIX(東証株価指数)採用銘柄から金融などを除いた時価総額1000億円以上の企業を対象とした。必要な項目をすべて取得できた企業のうち、上位の246社をランキングにした。

 活用した指標は8つだ。①労働生産性②営業利益伸び率③売上高研究開発費比率④総還元性向⑤労働分配率⑥ネットキャッシュ比率⑦売上高原価率⑧労働装備率──で、それぞれを評価し、偏差値を算出した。

 ⑤労働分配率、⑦売上高原価率、⑧労働装備率の3つは、点数が低いほど賃上げ余力があると見なした。他の5つは点数が高いほど、賃上げ余力があると位置づけた。

 ①の労働生産性は従業員1人当たり営業利益で計算した。1人当たりの稼ぐ力、つまり生産性が高いほど、賃金に振り向ける原資も増えると見なしている。②の営業利益伸び率は成長性の高さを示す。コロナ禍前の実力も加味するため5年間の平均値とした。

 ③の売上高研究開発費比率は、将来への種まきにどれだけ資金を投じているかを表す。高いほど成長の持続可能性も高いと判断した。④の総還元性向、⑤の労働分配率は株主および従業員への利益の還元度合いを指す。⑥のネットキャッシュ比率は、利益剰余金のうち現預金など流動性の高い資産の割合を示す。

 ⑦の売上高原価率では、原価率が低い企業ほどコスト高を吸収する力があり、資金力も生まれると判断している。⑧の労働装備率は1人当たりの設備投資額を表す。生産能力を増やして収益性を高める利点がある一方、多いほど償却コストや借り入れなどの負担も増す。今回のランキングは、労働装備率が高いと財務の負担が増すと見なした。

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