政府による副業支援が追い風となり、副業プラットフォームへの登録が加速度的に増えている。副業の目的や方法が多様化する中、これまで閉鎖的といわれてきた学校教育の現場でも、民間人材の受け入れが広がっている。学校教育に革新は起きるのか。

 「チャレンジしようとするとき、何をモチベーションにしていましたか?」

 高校生たちはいつもの教室で教壇を見つめる。

 「私は高校まで日本にいて、もっと楽しいこと、もっと素晴らしいことができると思って海外に行きました。結果的に、私には海外での生活の方が合っていました。日本が合わないのであれば、海外も視野に入れていいと思います」

 英語を流ちょうに話す女性の言葉に、生徒たちは目を輝かせた表情でうなずく。

 これは、富山県のある県立高校の授業風景だ。Zoomでつながった先にいる「先生」は、普段、生徒たちが学んでいる学校の先生ではない。ブロガーであり、ユーチューバーでもあり、通訳の仕事も兼任している女性だ。

 副業人材プラットフォーム「複業先生」はこうした民間人と全国の教育の現場をつないでいる。運営するLX DESIGN(東京・千代田)は2018年創業と若い。だが、事業は急拡大している。複業先生の講師登録者数は22年12月時点で約1000人、サービスを受け入れている学校数は昨年同月比で4倍に増加した。

「複業先生」の授業は対面とオンラインで全国で行われる
「複業先生」の授業は対面とオンラインで全国で行われる

 複業先生に登録する人材は実に多様だ。現役の大学生、ベンチャーの社長や客室乗務員もいる。おのおののスキルや知識を生かして教壇に立つ。NTT東日本でビジネスイノベーション本部DX人材創出PTに所属する小林千夏氏は、複業先生を通じて教壇に立つ一人。サービス開始直後に登録し、既に5回ほど授業の現場に立っている。「生徒の視野を広げられている実感とともに、自身を顧みるいい機会になっている」と手応えを感じているようだ。

 学校の教育現場に新たな風が吹き始めている。

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