この指数に着目する、智剣・Oskarグループ主席ストラテジストの大川智宏氏は「ESG(環境・社会・ガバナンス)投資のブームが、女性活躍が進んだ企業の株価を押し上げていることは間違いない。この環境は今後も継続していくと考えられる」と指摘する。世界の投資家がはっきりと、女性活躍度によって投資先企業を選別する時代になっているのだ。
女性管理職の多さは業績にポジティブ
また、株価が押し上げられているだけでなく、女性活躍度が高い企業ほど業績も良い傾向があるという。大川氏は、MSCI日本株女性活躍指数の銘柄選定基準の一つである「女性の管理職の割合」について、16年3月末時点の女性管理職比率で上位の企業群と、下位の企業群の業績を比較。すると5年後の21年3月末までの純利益の増益率にはっきりと差がついた。
「女性の活躍の場が増えれば、それだけ企業内に埋もれていた優秀な人材を発掘できる。過去においては、女性管理職の割合が多い企業ほど、強く成長していたことは疑いようのない事実だ。ただし、そもそも業績や財務状況が悪い企業は人材に投資する余力がなく、ESGなどのテーマに対応できないという側面にも注意する必要がある」(大川氏)
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