4位は33.3%の同率で6社がランクイン。時価総額順に、東京ガス、伊藤忠テクノソリューションズ、千葉銀行、FOOD & LIFE COMPANIES、スギホールディングス、丸井グループだ。取締役の3分の1を女性にしたことは多様性確保という視点では、グローバルレベルに達しているといえるだろう。注目は、初の女性取締役常務執行役が社内から誕生した千葉銀行。取締役に今年6月に就任した淡路睦氏は、新設されたCHRO(最高人事責任者)を担当する。

 続く10位は30%の同率で、積水ハウス、コーセー、LIXIL、荏原。LIXILは社内取締役が1人おり、その他の3社はすべて社外取締役だ。

394人中、355人が社外取。「数合わせの多様性」では?

 時価総額が大きな上場企業において、女性取締役比率が3割を超え始めてきた。多様性確保に積極的な姿から、企業統治方針や社会的責任を学ぶところは多い。しかし同時に、全女性取締役394人中、355人が社外取締役という実態も浮かび上がった。裏返せば全体の9.9%しか社内取締役がいないということだ。

女性取締役における社内と社外の割合
女性取締役における社内と社外の割合
時価総額上位300社の女性取締役を調べると、生え抜きで昇格した人は全体の1割を切る。

 女性社外取締役が多くなってしまうやまれぬ理由もある。来春以降、プライム市場に上場する企業は、コーポレートガバナンス・コードにより「取締役会の3分の1以上を独立した社外取締役で構成する」ことを求められているからだ。取締役会に社外の目を入れよというお題目と、女性活躍というお題目が一度に舶来した日本企業にとっては、「女性社外取締役」を誕生させて一気に解決するしか現実的な手段がないというのが実相だ。

 「社内から取締役に抜てきできる女性は残念ながら見当たらない。育成が追いついていない。来春、プライム市場へのシフトを死守するためにも、かろうじて女性の弁護士を1人社外取締役として雇っている」(一部上場企業の男性取締役)というのが本音だろう。

 ボードメンバーとなりうる女性社員を計画的に育成し、手放さぬようにしていかなければ、本来の目的であるはずの真の多様性組織にはなれない。社外取頼みから卒業できないということは、「数合わせの多様性」でしかない。このことを今、各社の経営陣こそ痛感しているのではないだろうか。

 次回は「女性取締役ゼロ企業」を見ていきたい。

■修正履歴
ローソンの女性取締役は2人ではなく、正しくは3人でした。本文や表など該当箇所を修正しました。お詫びして訂正いたします。[2021/8/26 13:40]
日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト

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