共通ポイント「Tポイント」と自社の「Vポイント」の統合を決めた三井住友フィナンシャルグループ(FG)。その狙いは「ポイント経済圏」の拡大だけにとどまらない。これまで蓄積してきた決済データに加え、POS(販売時点情報管理)データとひも付いた詳細な購買データを得ることで、顧客分析サービスを強化する狙いもありそうだ。

 三井住友カードは11月1日、加盟店向けに、商圏における顧客分析や出店戦略をサポートする「Custella Maps(カステラ マップス)」というサービスの提供を始める。利用料金は月20万~30万円だ。

 カステラ マップスの画面を開くと、どの地域から来店する客が多いのかが色の濃淡で視覚的に分かるヒートマップが表示される。その精度は、画面を拡大すると最小500メートル四方のメッシュ(網の目)状とかなり細かい。マップから得られる情報は自社の来店客にとどまらない。同じ業種、すなわち競合店との比較も可能だ。こうした情報を通じて、販売施策を練ったり、新たな出店候補地を絞り込んだりできるのが売りだ。

客がどこから来店しているのかや、同業種との購買傾向の違いを視覚的に伝えるヒートマップ
客がどこから来店しているのかや、同業種との購買傾向の違いを視覚的に伝えるヒートマップ
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 客がどこから来店しているのかが、なぜ分かるのか。それは三井住友カードが保有する膨大な決済データがベースになっているからだ。クレジットカードに入会する際には、公的な身分証明書で厳格な本人確認が行われる。従って、カード会員の性別や年齢、現住所の情報はかなり正確といっていい。これらを匿名化し、属性データとして利用している。

 クレジットカードには「高額な買い物でしか使われない」という弱点があったが、キャッシュレス化の流れで少額決済での利用も増えているという。三井住友カードは2020年9月に会員募集を開始した「三井住友カード プラチナプリファード」で、コンビニエンスストア大手3社とマクドナルドでの決済で最大で5%をポイント還元する特典を導入。その後、「三井住友カード ナンバーレス(NL)」でのタッチ決済でも同様の特典を取り入れた。カード決済を日常的に利用する動機づけが狙いだ。実際、19年は月間2億件だったキャッシュレス決済件数は、22年に4億件へと倍増している。

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