インターネット接続サービス大手のビッグローブ(東京・品川)が、7月から新たな格安スマホブランド「donedone(ドネドネ)」をスタートさせた。通信サービスは料金以外での差別化が難しいなか、月額料金のうち50円を社会貢献に寄付することを売りにする。若者の間で高まる「エシカル(倫理的)消費」への意識を追い風に、手つかずだった若年層の取り込みを狙う。

 「これまで大容量は大手通信会社、小容量はMVNO(仮想移動体通信事業者)とすみ分けができていたが、大手の値下げで垣根が崩れてきた」

 こう語るのは、MVNO事業も営むビッグローブ(東京・品川)のCMO(最高マーケティング責任者)、中川圭子執行役員だ。

ビッグローブで執行役員CMO(最高マーケティング責任者)を務める中川圭子氏(写真:古立康三)
ビッグローブで執行役員CMO(最高マーケティング責任者)を務める中川圭子氏(写真:古立康三)

 菅義偉前政権による政府主導の携帯電話料金引き下げで、割を食ったのがMVNO。総務省の統計によると、毎年150万~300万ほど契約数を増やしてきた流れが一転し、21年4~6月には13万契約の純減となった。ビッグローブはこれまで「ビッグローブモバイル」のブランドで、主にデータ容量が月1~6ギガ(ギガは10億)バイトの小・中容量プランを提供してきたが、大手の値下げで価格優位性が揺らいでいる。

 逆風が吹くなか、ビッグローブモバイルとは別の新ブランド「donedone(ドネドネ)」を立ち上げた。ブランド名は、英語で「寄付」を意味する「ドネーション」という言葉から名付けた。その背景には、これまでのような料金一辺倒の競争から抜け出そうというマーケティング戦略がある。

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