顧客のニーズを起点に商品やサービスを開発し、売れる仕組みをつくるマーケティング。新型コロナウイルス禍やデジタル技術の新潮流によって事業環境が大きく変化し、重要性がかつてなく高まっている。連載では、企業が取り組んでいる商品開発やプロモーションなどの事例を通じて競争に勝ち抜くヒントを探る。1回目はカップヌードル発売50周年の日清食品を取り上げる。

 「カップヌードルは世界初のカップ麺で1971年9月18日に発売されてから今年で50周年だって!? 誰も興味ねーよ!」

 こう叫ぶ怪獣が、日清食品の本社をビームで攻撃する――。これは日清食品ホールディングス(HD)のYouTube公式チャンネルで流れた「カップヌードル」の広告だ。

 2021年に発売50周年を迎えた看板商品に、自ら「誰も興味ない」と言い放つ。それは単なるユーモアではない。日清食品に根付く顧客中心の意識が表れている。

カップヌードルを担当する白澤勉ブランドマネージャー。50周年のプロモーションを仕掛けた
カップヌードルを担当する白澤勉ブランドマネージャー。50周年のプロモーションを仕掛けた

「消費者に50周年は関係ない」

 カップヌードルのブランドマネージャーを務めるマーケティング部第1グループの白澤勉氏は「通常なら『50周年感謝キャンペーン』などを考えるのかもしれない。ただ、何周年という区切りは企業側の都合。消費者には関係のない話だ」と語る。

 消費者に「ありがとう」と伝えるのはやめた。それより、少しでも節目を楽しんでもらうにはどうしたらよいか。そこでカップヌードルを表現する“祭り”の雰囲気を醸成して、くすりと笑える奇抜なプロモーションを次々と打ち出した。

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