国内最大の気象情報サービス会社、ウェザーニューズは12期連続で増収となっている。個人のニーズを細分化して新サービスを相次ぎ打ち出しており、利用者が増加中だ。気象市場はまだ成長できる余地があるとみて、多様なデータの分析ノウハウを磨き続ける。
「もっと予報の精度をきめ細かくしてはどうか」「利用者からはこんな要望が来ています」。ウェザーニューズでは毎日、サービス開発を巡って議論が交わされている。社内のSNS(交流サイト)でアイデアを出し合う様子には熱気を感じる。
今、同社の伸びをけん引するのは個人向けサービスだ。草開千仁社長は2021年5月期の決算説明会で「アプリ関連の収入が引っ張っている」と語った。12期連続の増収だ。

月間利用者、19%増加
同期は、アプリと自社サイトで展開する気象予報サービスの月間利用者数が20年5月期から約19%増え、3849万人となった。月300円台のプランが基本になっている有料会員が増え、サービスに掲載する広告収入も拡大した。個人向け事業の売上高は約12%増の約85億8000万円となり、会社全体の売上高の約46%を占めている。
新型コロナウイルス禍でスマートフォンを利用する機会が増えたことなどが追い風になったが、見逃せないのは、同社が進めてきた「ニーズに細かく焦点を当ててコンテンツを増やす」戦略だ。
例えば6月に提供を始めた「線状降水帯マップ」は、局所的に長時間の大雨をもたらす線状降水帯を10分ごとに検知、マップ上に示す。線状降水帯は8月に九州を襲い、被害が広がった。ウェザーニューズは利用者の関心がどこにあるかをつかんだ上で、降水量など一般的な情報の提供内容から踏み込んでいる。
ウェザーニューズが個人向けに新たにリリースしたりバージョンアップしたりするコンテンツは年間で50個に上っており、1週間に1つのペースだ。気象の枠を超えた情報に特色がある。
暮らしの悩みを解決
1月に始めた「水道管凍結予報」では、翌朝の凍結リスクを「心配なし」「注意」「警戒」の3ランクで表す。20年3月から提供している「天気痛予報」は、気圧や気温などの変化によって頭痛や目まいが出やすいタイミングを4ランクで示している。停電のリスクを「注意」「警戒」の2段階で予測する個人向けの「停電リスク予測」などもある。いずれも気象にとどまらず、暮らし全般の悩みを解決するような内容だ。


こうしたサービスの充実は、社内外のデータを掛け合わせることによって可能になっている。
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