2020年秋、京都・祇園からほど近い路地に誕生したホテル「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」(京都市)が、旅行業界にとどまらず仏教界でも注目を集めた。オープンしたのは約500年の歴史を持つ浄教寺と一体化したホテル。早朝から始まる「お勤め体験」は満席になるほど人気のプランとなった。新風を吹き込んだ元銀行員住職はどうこのプロジェクトを実現させたのか――。

新しい浄教寺の本堂の内観
新しい浄教寺の本堂の内観

 朝7時台。国宝で有名な知恩院を総本山とする浄教寺では、ぴんと張りつめた空気のなか、住職の光山公毅さんが読経する声が響いていた。宿泊客が焼香すると、お香のにおいがあたりに立ち込める。同ホテルのお勤め体験の一幕だ。

 コンビニエンスストアより多いといわれる全国のお寺では、毎朝人知れず読経する住職がいる。「何人がいい、というわけではありませんが、皆さんとこうしてご一緒できることはありがたいです」。読経が終わると光山さんは宿泊客にこう語りかけた。

 お勤めが終わると、宿泊客はきらびやかな本堂の内観に加え、平清盛の長男・重盛の像や江戸時代の天明の大火で焼けた鬼瓦など歴史的な保管物を自由に見学できる。

朝のお勤めが体験できるプランは人気だ
朝のお勤めが体験できるプランは人気だ

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