バブル崩壊以降、多くの日本企業が見直してきた「売上高至上主義」。それをさらに推し進め、売り上げ最小主義を掲げる会社が北海道にある。「今の時代は安易な売上高増加はリスク」がトップの考えだ。

 新型コロナウイルス禍では前例のない不況が起きた。それは「物が売れない」という以前の問題として、「まともな営業ができない」という現象が起きたことだ。外食や百貨店をはじめとする一部の小売企業や旅行、航空といった業界は大きなダメージを受け続けている。

 物が売れなくても、経営のコストはかかる。家賃や人件費といった固定費だ。そして、それらは企業の規模、従業員の数に比例する。つまり、「売上高は大きいが利益率が低い企業ほどリスクが高い」という現象が起きたということになる。

 こうした中で、盤石の体制で経営を続けている小売企業が北海道にある。健康食品や化粧品の通販を手掛けている北の達人コーポレーションだ。

北の達人コーポレーションのECサイトのトップ画面。同社は2017年2月期以降の5年間、常に営業利益率が20%を超えている
北の達人コーポレーションのECサイトのトップ画面。同社は2017年2月期以降の5年間、常に営業利益率が20%を超えている

 同社の売上高は92億円(2021年2月期)だが、営業利益は20億円。21年2月期がたまたま高収益だったというわけではない。20年は売上高100億円に対し、営業利益29億円、19年は売上高83億円に対し、営業利益18億円。17年2月期以降の5年間は常に営業利益率が20%を超えている。

 経営手法は実にシンプル。「びっくりするほどいい商品ができた時にしか販売しない」というものだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3989文字 / 全文4599文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「マーケティングのリアル」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。