キャンプ用品を中心とするアウトドアブランドのスノーピークが、成長を続けている。

 売上高は2016年12月期の92億円から20年12月期の168億円まで年率2ケタの高い伸びを示している。経常利益も、16年12月期の8億円から20年12月期は15億5000万円へと倍増した。キャンプ用品の販売やキャンプ場の運営だけにとどまらず、アパレル、グランピング、キャンピングオフィスといった新規事業の拡大も業績の伸びに貢献している。

 アウトドアでの機能性を重視したアパレルと、アウトドア用品をそろえなくても気軽に楽しめるグランピングのビジネスは、スノーピークブランドと親和性が高く、常識的な事業の広げ方と言える。しかし、キャンピングオフィスはどうだろうか。

 この事業では、オフィス空間をスノーピーク製品でアウトドア風に改装したり、社員をキャンプ場などに集めて行う研修プログラムを提案したりしている。アウトドアで遊ぶキャンプと、屋内で働くオフィス。異色の組み合わせだ。

 だが、キャンピングオフィス事業の子会社、スノーピークビジネスソリューションズ(スノーピークBS、愛知県岡崎市)の20年12月期の売上高は前年同期比19%増の7億2600万円、営業利益は同52%増の1億3500万円と順調に伸びている。

 実は、この事業のアイデアはスノーピークから生まれたものではない。

スノーピークでキャンピングオフィス事業を指揮する村瀬亮氏
スノーピークでキャンピングオフィス事業を指揮する村瀬亮氏

 15年秋、新潟県三条市のスノーピーク本社。山井太社長(当時、現会長)は愛知県岡崎市からやってきた来客と向き合っていた。男は村瀬亮と名乗り、1999年に立ち上げたアイ・エス・システムズという会社で、主に製造業向けのシステム開発や作業改善のコンサルティングなどを手掛けていると自己紹介した後、こう続けた。

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