かつて服部時計店(現セイコーホールディングス<HD>)の本社だった東京・銀座の「和光本館」。銀座を象徴するランドマークといえる建物が竣工90年を迎えた今年6月、セイコーHDはその一部を改装し、建物の名称も「SEIKO HOUSE GINZA(セイコーハウス銀座)」に変えた。インバウンド(訪日外国人客)消費の復活をにらみ、グループ全体のブランド発信拠点として生かす。

銀座4丁目に立つ「SEIKO HOUSE GINZA(セイコーハウス銀座)」(旧・和光本館)。6月に竣工90周年を迎えた
銀座4丁目に立つ「SEIKO HOUSE GINZA(セイコーハウス銀座)」(旧・和光本館)。6月に竣工90周年を迎えた

 「聖地であるこの場で新たな一歩を踏み出そうとしている。上質な売り場の空間に加え、日本の文化、匠(たくみ)の技、持続可能な開発目標(SDGs)の発信拠点として生まれ変わろうとしている」。6月上旬、セイコーHDの服部真二会長は改装記念式典でこう述べた。

 今回の改装を経て、建物全体についてはSEIKO HOUSE GINZAと改称する一方、宝飾店の名称としては「和光」を残した。

 1881年(明治14年)、時計の小売り・修理店「服部時計店」として東京・銀座の地で創業したのがセイコーHDの始まり。94年には初代時計塔が完成し、好景気から建て替え工事を進めていたものの、関東大震災で中断。現在、銀座4丁目の交差点に構える和光の時計塔は1932年(昭和7年)6月に竣工したものだ。

 これまで、4階~地下1階は和光の売り場として使われてきたが、5階~屋上は6階の展示ホールを除いて対外的に活用される機会は少なかった。銀座の顔ともいえる和光には高級宝飾店としてのイメージが定着しており、セイコーブランド発信への貢献度が大きかったとは言いがたい。

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