今や2.7兆円規模となった国内のインターネット広告市場だが、広告効果を見えないところで打ち消す「アドフラウド(広告詐欺)」の被害が明るみになってきた。日本はこうした被害の割合が主要国で最悪の水準となっており、国内では新興大手などが対策の提供で攻勢をかける。

 思ったよりも広告効果が伸びない――。こうした体験をしたビジネスパーソンはいないだろうか。

 そんな時、疑うべきは「アドフラウド」だ。インターネット上で起きる広告詐欺・広告不正の総称で、全世界での被害額は2025年までに5兆円超になるとの試算もある。近年ではグローバルで麻薬に次ぐ反社会勢力の資金源になりつつあるといわれており、社会問題化している。

 「広告を打っているのに全然効果がない、といった相談が増えている」。アドフラウド対策国内最大手のスタートアップ、スパイダーラボズ(東京・港)の大月聡子CEO(最高経営責任者)は、国内でもアドフラウド被害への相談が増えている状況をこう話す。

スパイダーラボズを立ち上げた大月聡子CEO(最高経営責任者)
スパイダーラボズを立ち上げた大月聡子CEO(最高経営責任者)

「競合つぶし」が横行

 実際、アドフラウドとはどのようなものなのか。

 代表例の一つが、競合企業からの執拗な広告クリックを受けて、広告予算を消化させられる「競合つぶし」だ。競合の広告をクリックすることで無駄に予算を消耗させ、広告表示をストップし、相対的に自社の広告露出を増やすなどの目的で実施される。実際に競争が苛烈な採用などの場面や不動産、通販などの業態で横行しているという。

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