業績成長との相関があるとされ、欧米で広く用いられている「顧客推奨度(NPS、ネットプロモータースコア)」。今回の「推し企業」ランキングでは、このNPSを用いて10の業界の企業・ブランドを愛され度合いで順位付けしてきた。連載の終盤に入った今回は、NPSの効用とそれを補う新たな指標などを紹介する。記事の最後には今回のランキングを制したトップ企業・ブランドの一覧表を掲載する。

■連載記事のラインアップ
「推しビール」首位はアサヒ 次期社長がやめた「押し付け」
音楽配信の「推し」首位はアップル 巧妙な生態系、アマゾンと明暗
旅行サイトは3強が大接戦 安定の老舗、固定ファンを逃さず
「推し活」マーケティングの威力 定番おやつから新ビジネスが開花
お薦めの回転ずし首位はあの伏兵 価格競争せず接客で「下克上」
激戦ビジネスホテル 「推し宿」首位は大浴場と朝食でアパに勝つ
ウーバーじゃなかった フードデリバリー「推し」首位は北欧生まれ
愛されエアライン首位はANAかJALか 顧客の声から不断の改善
「推しカード」首位は楽天カード 利用者の声、NPSで多角的に分析
「推しアパレル」ZARAに軍配 グローバルワークやワークマンが追う
資生堂・花王に勝った スキンケア化粧品の推し首位はリピート重視
・「業績アップの先行指標」 NPSを上げると株主にも恩恵(今回)
値上げでも売れる王将、トミカ、メルセデス 強固なファンが下支え

買い物客でにぎわう東京都内の百貨店。ファンづくりはあらゆる企業にとって重要な経営課題だ(写真:共同通信)
買い物客でにぎわう東京都内の百貨店。ファンづくりはあらゆる企業にとって重要な経営課題だ(写真:共同通信)

 NPSのスコアが上がれば、企業の売り上げはどう変わるのか。それを分かりやすく示したデータがある。

 日本国内の主要クレジットカードを対象に「そのカードを親しい友人や知人に、どの程度薦めたいか」を、0点から10点の11段階で選んでもらう。すると、推奨度が10点の利用者は、5点の利用者と比べて毎月のカード利用額が平均で2万円多く、平均利用回数も2.4回多いという結果が出た。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り979文字 / 全文1781文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「マーケティングのリアル」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。