日経ビジネスが消費者調査からはじき出した「顧客推奨度(NPS、ネットプロモータースコア)」を基に、様々な業界の企業・ブランドを愛され度合いで順位付けした「推し企業」ランキング。資生堂や花王といったビッグネームを退けてスキンケア化粧品のランキングを制したのは「LTV(顧客生涯価値)経営」を掲げる、あのブランドだった。

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 新型コロナウイルス禍に変革を求められた化粧品業界。外出自粛が求められ、人々がマスクを着けるようになったことで市場は縮小し、矢野経済研究所によると2021年度の国内の市場規模は19年度比13.5%減の2兆2900億円にとどまった。

 スキンケア市場はその半分近くを占める化粧品業界の大黒柱だ。コロナ禍には「マスク荒れ」に悩まされる人が増え、各メーカーはケア商品をオウンドメディアで紹介するなど、対応に動いた。1990年代後半以降に生まれた「Z世代」や男性をターゲットにしたブランドや商品戦略も増えている。コロナ禍で売り方も変わり、オンライン接客へのシフトが進んだ。

スキンケア市場は国内の化粧品市場全体の約半分を占める(写真:PIXTA)
スキンケア市場は国内の化粧品市場全体の約半分を占める(写真:PIXTA)

 市場環境が大きく変化したスキンケア市場でニーズをつかみ、ファンに支持された企業はどこなのか。本誌NPSランキングを制したのは、大手の資生堂でも花王でもなかった。

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