ポイントプログラムの改廃や付与ルールの変更の裏側には、企業の戦略が密接に絡み合っている。4回目で取り上げるのは、クレジットカード決済などでひたすらマイルをためる「陸(おか)マイラー」の間で人気だった「スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード(SPGアメックスカード)」。2月24日から新たなカードに切り替わるが、そのサービスの変更内容から、カード発行会社のアメリカン・エキスプレス・インターナショナル(東京・港)と、提携会社であるホテルチェーン世界最大手・米マリオット・インターナショナル双方の戦略を読み解く。
■掲載予定 内容は予告なく変更することがあります
(1)ソフトバンク・ヤフー離脱の衝撃 Tポイントは生き残れるか
(2)“ポイント改悪”続きの楽天 始まったキャンペーンと顧客の選別
(3)ANAは陸でマイル圏拡大、三井住友は高ポイント還元カードで勝負
(4)陸マイラーに人気の「SPGアメックス」、「賛否両論」リニューアルの狙い(今回)
ANAマイルをためるならANAカード、JALマイルをためるならJALカード。そう思われがちだが、実は「陸マイラー」の間で人気のカードがある。アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(東京・港)が、世界最大のホテルチェーン・米マリオット・インターナショナルと提携して発行する「スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード」(SPGアメックスカード)だ。

カードの発行が始まったのは2013年9月。当時は「シェラトン」や「ウェスティン」で知られる米スターウッド・ホテル&リゾートとの提携カードだった。スターウッドはその後、16年にマリオットに買収され、19年には会員プログラムが「Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)」に統一されたが、その後も日本ではSPGアメックスカードの発行が続いてきた。
だが2月24日、ついに「Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」(以下、ボンヴォイプレミアム)に生まれ変わることになった。年会費をはじめ、サービス内容が大きく変更になる。SPGアメックスカードの既存会員も、5月11日以降の請求分から年会費が大幅に上がる。ネット上では、新カードは“改善”なのか“改悪”なのか、そして継続すべきか否か、さまざまな意見が飛び交っている。
個々人のカードの利用スタイルによって評価は左右されるが、間違いないのは、アメリカン・エキスプレスとマリオットが明確な意図を持ってサービス内容を見直したということだ。今回はその戦略を読み解いていく。

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