「水の新たな選択肢。小さな発明ながら、大きな第一歩」(サントリー食品インターナショナル齋藤和弘社長)――。
サントリー食品インターナショナルは2月9日、水道水をミネラル入りの水に変えるペットボトルキャップ「minel(ミネル)」を発表した。ペットボトルのキャップにミネラルエキスが入ったユニークな商品で、専用ボトルに水道水を入れてキャップを装着すると、水の中にミネラルエキスが噴射される仕組みだ。
「植物ミネラルエキスの力でご家庭の水を一瞬でおいしくする」と、その味に自信をのぞかせる齋藤社長。国内清涼飲料水で最も売れている「サントリー天然水」ブランドを持つ同社が、あえて“水を売らない”かたちでのミネラル入り飲料水を提案。そこにはどんな狙いがあるのか。minelの開発を担当したイノベーション開発部の高橋大樹氏に話を聞いた。


minelはこれまでにない挑戦的な商品ですね。高橋さんの所属はイノベーション開発部ですか。どのような部署ですか。
高橋大樹氏(以下、高橋氏):既存の商品やサービスの枠にとらわれない、新たな価値を生み出すことをミッションにした部署です。2018年の秋に立ち上がり、これまでminelを含めて4つほどサービスや商品を出してきました。
健康経営を支援する法人向けサービス「サントリー+(サントリープラス)」、ドリンクとラベルをカスタマイズできるコーヒーサービス「TAG COFFEE STAN(D) (タグコーヒースタンド)」、パウチ型で提供する果肉たっぷりの食べるフルーツティー「GOROCHA(ゴロチャ)」、そして今回の「minel」。どれもユニークなものばかりです。
minelの開発期間はどれぐらいですか。
高橋氏:イノベーション開発部ができた直後ぐらいからプロジェクトはスタートしました。開発期間は約4年、途中、キャップ型にすると決めてから2年半ぐらいでしょうか。
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