「水の新たな選択肢。小さな発明ながら、大きな第一歩」(サントリー食品インターナショナル齋藤和弘社長)――。

 サントリー食品インターナショナルは2月9日、水道水をミネラル入りの水に変えるペットボトルキャップ「minel(ミネル)」を発表した。ペットボトルのキャップにミネラルエキスが入ったユニークな商品で、専用ボトルに水道水を入れてキャップを装着すると、水の中にミネラルエキスが噴射される仕組みだ。

 「植物ミネラルエキスの力でご家庭の水を一瞬でおいしくする」と、その味に自信をのぞかせる齋藤社長。国内清涼飲料水で最も売れている「サントリー天然水」ブランドを持つ同社が、あえて“水を売らない”かたちでのミネラル入り飲料水を提案。そこにはどんな狙いがあるのか。minelの開発を担当したイノベーション開発部の高橋大樹氏に話を聞いた。

2月9日の発表会で新商品「minel(ミネル)」のプレゼンをするサントリー食品インターナショナルの齋藤和弘社長
2月9日の発表会で新商品「minel(ミネル)」のプレゼンをするサントリー食品インターナショナルの齋藤和弘社長
ミネラルinウオーターキャップ「minel」。初回は5000人限定で抽選販売。価格は6回分のキャップ(6個)と専用ボトル(約1.5リットル)をセットにした「スターターセット」が税込み1380円。キャップ単体は6個セットで同1080円、専用ボトルは同300円
ミネラルinウオーターキャップ「minel」。初回は5000人限定で抽選販売。価格は6回分のキャップ(6個)と専用ボトル(約1.5リットル)をセットにした「スターターセット」が税込み1380円。キャップ単体は6個セットで同1080円、専用ボトルは同300円

minelはこれまでにない挑戦的な商品ですね。高橋さんの所属はイノベーション開発部ですか。どのような部署ですか。

高橋大樹氏(以下、高橋氏):既存の商品やサービスの枠にとらわれない、新たな価値を生み出すことをミッションにした部署です。2018年の秋に立ち上がり、これまでminelを含めて4つほどサービスや商品を出してきました。

 健康経営を支援する法人向けサービス「サントリー+(サントリープラス)」、ドリンクとラベルをカスタマイズできるコーヒーサービス「TAG COFFEE STAN(D) (タグコーヒースタンド)」、パウチ型で提供する果肉たっぷりの食べるフルーツティー「GOROCHA(ゴロチャ)」、そして今回の「minel」。どれもユニークなものばかりです。

左がドリンクとラベルをカスタマイズできるコーヒーサービス「TAG COFFEE STAN(D)」、右がパウチ型の食べるフルーツティー「GOROCHA(ゴロチャ)」
左がドリンクとラベルをカスタマイズできるコーヒーサービス「TAG COFFEE STAN(D)」、右がパウチ型の食べるフルーツティー「GOROCHA(ゴロチャ)」
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minelの開発期間はどれぐらいですか。

高橋氏:イノベーション開発部ができた直後ぐらいからプロジェクトはスタートしました。開発期間は約4年、途中、キャップ型にすると決めてから2年半ぐらいでしょうか。

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