人口減少や高齢化で新規顧客の開拓が難しくなり、情報過多でブームも長続きしにくくなった今、ファンを増やそうと具体的に動く企業が増えている。その動きの一つとして、「あるブランドをどれだけ友人らに薦めたいか」を数値で示す「顧客推奨度(NPS)」を経営の重要指標に位置づける例が目立ち始めた。外食店や化粧品店など、採用する業種が広がっている。
「大きなマイナスの値が出たからといって、落ち込むことはない。NPSとはそういう数値なのだから」
焼き肉チェーン「焼肉きんぐ」などを運営する物語コーポレーションの春山陽介・営業イノベーション室長は、新たな店長が着任するたびにこんな説明を繰り返している。

物語コーポは2018年にNPSを取り入れた。それまでは「満足している」「ほぼ満足している」といった選択肢を選ぶ顧客満足度調査を実施していた。しかし「意見をはっきり言わない日本人の特性なのか、ほとんどの回答が『ほぼ満足している』になる。現実には問題が山積しているはずなのに、どこに手を付けていいのか分からなかった」と春山氏は振り返る。
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