新規顧客の開拓よりも目の前のファンを大切にする「ファンベースマーケティング」の考え方が広がっている。社会構造や市場の変化が進み、ブームが長続きしない時代になっているためだ。専門家も経営におけるファンの重要性を訴える。

 「今回の新型コロナウイルス禍ではっきりしたことがある。それは固定のファンに支えられているお店は、やはり強いということだ」。コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之氏はそう実感を込める。

<span class="fontBold">佐藤尚之(さとう・なおゆき)氏</span><br>2019年に設立されたファンベースカンパニーの会長。1985年電通入社。コピーライター、CMプランナーなどを経て独立。
佐藤尚之(さとう・なおゆき)氏
2019年に設立されたファンベースカンパニーの会長。1985年電通入社。コピーライター、CMプランナーなどを経て独立。

 売り上げを伸ばしたければ、まずは新規顧客を開拓せよと言われた時代も確かにあった。しかし、今は違う。むしろ既存のファンを大切にし、中長期的に自社の売り上げや価値を上げていくべきだ──。佐藤氏はこの考え方を「ファンベース」と呼ぶ。

 なぜ今、ファンなのか。

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