新型コロナウイルス禍で難局が続く飲食業。当然、食材を供給する事業者にとっても打撃は大きいはずだが、そんな見方に反して顧客を増やしている企業がある。業務用食品卸のプレコフーズ(東京・品川)だ。2021年にはコロナ禍前の19年を3割も上回る新規顧客を獲得した。ピンチをチャンスに変えた戦略を紹介する。

 プレコフーズは食肉や魚、野菜、冷凍加工品など約7000種類の食材を扱い、東京都内を中心とする首都圏の飲食店に卸している。1軒あたりの単価は低くなるものの高い利益率が見込めるため、主に個人経営の小規模な飲食店をターゲットに事業展開してきた。

都内の飲食店に食材を送り届けるプレコフーズの配送トラック
都内の飲食店に食材を送り届けるプレコフーズの配送トラック

 取引先の95%が飲食店で、学校や病院、高齢者福祉施設などが残りの5%を占める。コロナ禍前の2019年3月期の連結売上高は192億円。過去最高の数字を達成し、一段の成長へ期待を高めていたところに新型コロナが襲いかかってきた。

 政府・自治体による飲食店への時短営業要請で、2万5000軒ほど抱えていた取引先のうち、2割にあたる約5000軒を閉店などで喪失。プレコの20年4月の売上高は前年同月比で6割強、5月も同5割強のそれぞれ大幅減となって、順調だった経営は大打撃を受けた。

 だが、プレコの高波幸夫社長は下を向かなかった。

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