商品やサービスが今までのように売れなくなった――。人口減少で経済が成熟し切っているかに見える日本。実際には、消える市場もあれば伸びる市場もあって変化は激しい。シニア世代が存在感を高め、スマートフォン1つで何でもそろえる若い世代の影響力も増す。企業は市場をどう読んで、売れる仕組みをつくり出していくのか。経営においてかつてなく重要性が高まっているマーケティングの今を探る。(写真:PIXTA)
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マーケティングのリアル

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大竹文雄・阪大特任教授「行動経済学は誰もが活用する時代に」
行動経済学の応用場面は着実に広がる。新型コロナウイルス対策の政府の有識者会議に参加して提案を続けてきた行動経済学者の大竹文雄・大阪大学特任教授は「人間にはいろいろなバイアスがある。これを前提にして、制度を使ってもらうよう…
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気づけばステマで大炎上……行動経済学の「失敗」防ぐ5カ条
日常生活の様々な場面で使われている「本能マーケティング」。その使い方には注意が必要だ。劇薬は一歩間違えると自らを苦しめる「毒薬」にもなり得る。消費者の利益になるかどうか、倫理・道徳的に反したものではないか、といった点に目…
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後発ながらシェア奪取の勝ち筋、シミュレーションで学ぶ行動経済学
行動経済学上の理論や法則を実際のビジネスで使うにはどうすればいいのか。博報堂コンサルティングの楠本和矢執行役員が日経ビジネス向けに実践的なシミュレーションを示してくれた。架空の老舗企業が男性用フェイシャルケア市場に新規参…
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「モノ売らない店」に企業と消費者が押しかける理由
新型コロナウイルス禍で商品売買のオンライン化が進んだ今日、「モノを売ることを主目的にしない店舗」の存在感が増している。実店舗が果たす役割とは一体何なのか。実はここにも行動経済学の理論が生かされている。
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タイガースファンも大爆笑 人が動きたくなるオモロイ“仕掛学”
大阪大学の教授が「オモロイ仕掛け」で、人々の行動を変容させている。ナッジのように潜在意識に働きかけるのではなく、意識的に動かす「仕掛学」。ポイントは、仕掛ける側の狙いと行動を起こす目的の「ズラし」にある。
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LCCピーチの「旅くじ」に大行列 あえて不便なものが売れるワケ
行き先を選べない「旅くじ」に長蛇の列ができ、「焼けていないパン」が大ヒット。新型コロナウイルス禍になってから、なぜか不便な商品やサービスが人気を集めている。便利に慣れた消費者にとって、実は不便だからこそ得られる益が魅力的…
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[新連載]NTTドコモ、メッセージ配信で「そっと後押し」
NTTドコモがスマートフォンに効果的なメッセージを配信する実験を重ねている。人々に“よりよい”自発的な選択を促す「ナッジ理論」を活用する。最新技術で一人ひとりの思考レベルまで分析し、深層心理に訴えかける取り組みが広がり始…
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広告詐欺、国内で1000億円超の損失か 新興が対策で攻勢
今や2.7兆円規模となった国内のインターネット広告市場だが、広告効果を見えないところで打ち消す「アドフラウド(広告詐欺)」の被害が明るみになってきた。日本はこうした被害の割合が主要国で最悪の水準となっており、国内では新興…
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ドコモ、dポイントの付与率アップ アクティブ利用を増やせるか
NTTドコモは6月から、共通ポイント「dポイント」の獲得ポイント数に応じて付与率を高めるランク制を導入する。狙いは、日常的な利用を増やすこと。2015年12月に共通ポイント業界に参入して会員数は一定の規模に成長したものの…
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百貨店は復活できる? 大丸松坂屋が探る「コミュニティー」の可能性
百貨店は業態としての競争力を失い、新型コロナウイルス禍もあって苦境に陥った。J・フロントリテイリング傘下の老舗、大丸松坂屋百貨店は新たな顧客を生み出す上で「コミュニティー」に着目している。多くの消費者から商売への意見を聞…
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すき間時間狙い撃ちで市場創出 無名企業のマッサージチェア革命
在宅勤務の増加や“デジタル疲れ”を背景に引っ張りだこのマッサージチェア。業務用に特化したメーカー、日本メディック(神奈川県藤沢市)は消費者の持て余した時間を次々と「マッサージタイム」へと変えるアイデアマーケティングで売り…
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陸マイラーに人気の「SPGアメックス」、「賛否両論」リニューアルの狙い
ポイントプログラムの改廃や付与ルールの変更の裏側には、企業の戦略が密接に絡み合っている。4回目で取り上げるのは、クレジットカード決済などでひたすらマイルをためる「陸(おか)マイラー」の間で人気だった「スターウッド プリフ…
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ANAは陸でマイル圏拡大、三井住友は高ポイント還元カードで勝負
ポイントプログラムの改廃や付与ルールの変更の裏側には、企業の戦略が密接に絡み合っている。連載3回目は、新型コロナウイルス禍で戦略の見直しを迫られた企業を取り上げる。ANAは旅行や出張需要が激減したことで、日常生活でもマイ…
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“ポイント改悪”続きの楽天 始まったキャンペーンと顧客の選別
ポイントプログラムの改廃や付与ルールの変更の裏側には、企業の戦略が密接に絡み合っている。2回目はここ1年ほどポイント付与ルールの変更が続く楽天グループを取り上げる。一部のユーザーからは「“改悪”続きだから、乗り換えを検討…
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ソフトバンク・ヤフー離脱の衝撃 Tポイントは生き残れるか
コンビニエンスストア、スーパーから外食、ネット通販まで、あらゆる購買の場面で活用されているポイントプログラム。野村総合研究所の推計によると、2020年度のポイント・マイレージ発行額は少なく見積もっても1.4兆円を突破した…
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社会人のリスキリング手助け 新興スクー、無料の生放送授業で急成長
スタートアップ企業のSchoo(スクー)はIT(情報技術)スキルから思考術まで、幅広い分野の学習動画を配信している。社会人のリスキリング(学び直し)の需要が高まり、国内大手に育った。武器の一つは365日生放送している授業…
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「ピップエレキバンにもファンが必要」、フジモトHDが抱えた危機感
ファンづくりに力を入れている会社の多くは、小売りやサービス業など顧客と直接向き合う業種だ。多くの消費財メーカーの場合、商品を卸して小売店に販売してもらうビジネスモデルで、そもそも顧客との直接的な接点がなく、ファンづくりは…
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会社への愛着示す従業員推奨度、スコア2点以下は「離職予備軍」
あるブランドを友人らにどれくらい薦めたいかを示す「顧客推奨度」(NPS)。従業員に対しても同様の概念を当てはめることで、収益改善などの効果が期待できるという。
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焼肉きんぐ・丸亀製麺…経営指標に「NPS」、ファン増やす武器に
人口減少や高齢化で新規顧客の開拓が難しくなり、情報過多でブームも長続きしにくくなった今、ファンを増やそうと具体的に動く企業が増えている。その動きの一つとして、「あるブランドをどれだけ友人らに薦めたいか」を数値で示す「顧客…
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TDR首位もUSJが肉薄 西武園ゆうえんちのお薦め度が急上昇
新型コロナウイルスの感染拡大により、苦しい経営が続くテーマパーク業界。日経ビジネスが消費者1万人に「薦めたい施設」を尋ねたところ、東京ディズニーリゾート(TDR)とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が一騎打ちを繰…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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テスラが仕掛ける電池戦争
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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