商品やサービスが今までのように売れなくなった――。人口減少で経済が成熟し切っているかに見える日本。実際には、消える市場もあれば伸びる市場もあって変化は激しい。シニア世代が存在感を高め、スマートフォン1つで何でもそろえる若い世代の影響力も増す。企業は市場をどう読んで、売れる仕組みをつくり出していくのか。経営においてかつてなく重要性が高まっているマーケティングの今を探る。(写真:PIXTA)
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マーケティングのリアル

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ヱビス、「ちょっとぜいたくなビール」のその先へ
サッポロビールの旗艦商品「黒ラベル」と並ぶ人気ブランド「ヱビス」。誕生してから133年という超老舗ブランドだ。プレミアムビールのカテゴリーで独自の文化を築いており、多彩な商品ラインアップを展開している。「ちょっとぜいたく…
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ふるさと納税狙うソフトバンク 300超の自治体が「PayPay商品券」を採用
ソフトバンク傘下のスマホ決済「PayPay」とふるさと納税サイト「さとふる」がデジタル商品券でタッグを組んだ。ふるさと納税の返礼品として「PayPay商品券」を付与するサービスの採用を決めた自治体が急増し、わずか1カ月弱…
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経営難の老舗酒蔵、DXファンドと手を組み復活の兆し
神奈川県秦野市にある創業154年の酒蔵、金井酒造店。日本酒市場は右肩下がりで、同社も近年は売り上げが低迷。新型コロナウイルス禍による飲食店需要の激減により、いよいよ行き詰まった同社が選んだ打開策はM&Aだった。
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三井住友カードがTポイント統合 決済✕購買で狙う顧客分析サービス強化
共通ポイント「Tポイント」と自社の「Vポイント」の統合を決めた三井住友フィナンシャルグループ(FG)。その狙いは「ポイント経済圏」の拡大だけにとどまらない。これまで蓄積してきた決済データに加え、POS(販売時点情報管理)…
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インド市場専用ウイスキーを現地の「角瓶」に サントリー新浪社長
サントリーホールディングスはインドを日本、米国に続く重要市場と位置付け、2030年に10億ドルの売り上げを目指す。新浪剛史社長の肝煎りで始まったインド・ウイスキー開発の先に、同社はアフリカなどのフロンティアを夢見る。いず…
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インドは「『やってみなはれ』のフロンティア」 サントリー印法人トップ
インド市場専用に緊急開発したウイスキー「オークスミス」が好調なビームサントリーインディア。ビームが開拓した高価な輸入ウイスキー市場に加え、ボリュームゾーンとなるIMFL(Indian-made foreign liquo…
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乳がん経ても胸元にオシャレを 立役者は旭化成系のエコ繊維
旭化成グループの素材を取り扱う旭化成アドバンスが、乳がん経験者向けの新たなランジェリーに生地を提供した。審美性や機能性、環境配慮。消費者や社会が求める最終製品のあるべき姿を、素材を通して実現する。
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サントリーが経験した10年前の失策、教訓から得たインド市場専用の“武器”
2014年にインドの清涼飲料水事業から撤退するという苦い失敗を経験したサントリー。そこから得た教訓を生かし、ウイスキー市場攻略ではインド市場専用の“武器”である「オークスミス」を緊急開発。短時間ではあったが徹底した市場調…
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サントリー、世界最大の印ウイスキー市場攻略 5年越しの「やってみなはれ」
ウイスキー大国、インド。2014年に飲料事業から撤退したサントリーは、同国に再挑戦している。インド市場専用ウイスキー「オークスミス」を開発し、発売3年で累計販売数は200万ケースに迫る。現地で根付き始めた「やってみなはれ…
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ハウステンボス再建を支援 森岡氏の「刀」、USJの再来期す
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)を再建した森岡毅氏の会社がハウステンボスの運営を支援する。ハウステンボスの株式を取得し、森岡氏の辣腕ぶりを知る香港拠点の投資ファンド、PAGが依頼した。新型コロナウイルス…
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人気アプリで法人開拓 ウェザーニューズが狙う「100億円市場」
気象情報会社ウェザーニューズが目先、注力するのは法人顧客の開拓だ。「100億円市場」を狙う武器として利用するのは、累計ダウンロード数3500万の個人向け気象アプリ。果たしてその戦略とは?
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渋谷109の復活、Z世代を魅了する「推し活の聖地」
現在、15~24歳のZ世代は「コスパ重視」「無駄な買い物をしない」と捉えられがちな世代であるが、自分の「推し」には消費を惜しまないようだ。ドコモ・インサイトマーケティングが提供する人流データで浮上したZ世代が集まる人気ス…
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サントリーBOSS、機動的な商品開発を支える“自社焙煎工場”
缶コーヒーという枠を超えて「働く人の相棒」という地位を得たサントリーの「BOSS」。消費者ニーズを捉えた機動的な商品開発を支えているのが、神奈川県海老名市にある自家焙煎(ばいせん)ならぬ自社焙煎工場だ。焙煎時の温度などを…
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サントリーBOSS、夜討ち朝駆けで上り詰めた「働く人の相棒」の地位
8月で発売30年を迎えたサントリー食品インターナショナルのコーヒー飲料「BOSS(ボス)」。容器は缶からペットボトルへ、味はコーヒーから紅茶、ラテに広がっているが、「働く人の相棒」という商品コンセプトだけはブレずに貫いて…
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銀座・和光が変身 セイコー、創業の地でにらむインバウンド復活
かつて服部時計店(現セイコーホールディングス<HD>)の本社だった東京・銀座の「和光本館」。銀座を象徴するランドマークといえる建物が竣工90年を迎えた今年6月、セイコーHDはその一部を改装し、建物の名称を「SEIKO H…
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大竹文雄・阪大特任教授「行動経済学は誰もが活用する時代に」
行動経済学の応用場面は着実に広がる。新型コロナウイルス対策の政府の有識者会議に参加して提案を続けてきた行動経済学者の大竹文雄・大阪大学特任教授は「人間にはいろいろなバイアスがある。これを前提にして、制度を使ってもらうよう…
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気づけばステマで大炎上……行動経済学の「失敗」防ぐ5カ条
日常生活の様々な場面で使われている「本能マーケティング」。その使い方には注意が必要だ。劇薬は一歩間違えると自らを苦しめる「毒薬」にもなり得る。消費者の利益になるかどうか、倫理・道徳的に反したものではないか、といった点に目…
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後発ながらシェア奪取の勝ち筋、シミュレーションで学ぶ行動経済学
行動経済学上の理論や法則を実際のビジネスで使うにはどうすればいいのか。博報堂コンサルティングの楠本和矢執行役員が日経ビジネス向けに実践的なシミュレーションを示してくれた。架空の老舗企業が男性用フェイシャルケア市場に新規参…
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「モノ売らない店」に企業と消費者が押しかける理由
新型コロナウイルス禍で商品売買のオンライン化が進んだ今日、「モノを売ることを主目的にしない店舗」の存在感が増している。実店舗が果たす役割とは一体何なのか。実はここにも行動経済学の理論が生かされている。
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タイガースファンも大爆笑 人が動きたくなるオモロイ“仕掛学”
大阪大学の教授が「オモロイ仕掛け」で、人々の行動を変容させている。ナッジのように潜在意識に働きかけるのではなく、意識的に動かす「仕掛学」。ポイントは、仕掛ける側の狙いと行動を起こす目的の「ズラし」にある。
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総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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1000年企業の肖像
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テスラが仕掛ける電池戦争
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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