最近頻繁に耳にする「メタバース」。2021年10月、SNS(交流サイト)大手の米フェイスブックが社名をメタバースに由来する「メタ」に変更して世の中を驚かせた。どうやら仮想空間といった概念のようだが、任天堂の家庭用ゲーム機向けソフト「あつまれ どうぶつの森」やバーチャルオフィスも含まれるなど対象範囲はよく分からない。IT(情報技術)批評家の尾原和啓氏に解説してもらった。

尾原和啓(おばら かずひろ)氏
尾原和啓(おばら かずひろ)氏
IT批評家。京都大学大学院工学研究科を修了後、米マッキンゼー・アンド・カンパニー、リクルート、米グーグル、楽天(現・楽天グループ)などを経て現職。シンガポールやバリ島をベースに活動している。著書・制作協力に、『アフターデジタル』(日経BP/共著)、『仮想空間シフト』(MdN新書/共著)、『メタバースとWeb3』(エムディーエヌコーポレーション/制作協力)ほか多数(写真=干川修)

メタバースが英語の「meta(超える)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語ということぐらいは知っているのですが、実際どんなものなのか定義を教えてください。

尾原和啓氏(以下、尾原氏):もともとはSF小説から出た言葉です。参加者がアクセスしていないときでも存在し続けている仮想空間のことで、複数の空間が成り立ち得ます。

 実態は、VR(仮想現実)、SNS(交流サイト)、リモートワーク、ゲームの4つの組み合わせです。ヘッドセットを使って別世界への没入感を楽しめるVRがメタバースの代表格といわれていますが、それだけではありません。

 ゲームでは「あつまれ どうぶつの森」や戦闘ゲーム「フォートナイト」がそうですね。タブレットや家庭用ゲーム機を使って、他の人と一緒に集う世界がそこにはあります。リモートワークやSNSの延長線上がメタバースでもあります。フィジカルな空間ではないところで人と人の関係が発生していますよね。

 ただ正直に言うと、メタバースとはVRやAR(拡張現実)といった現実と仮想の世界を融合するXR(クロスリアリティー)を、それらの関係者がリブランディングするためにバスワード化したという一面もあります。

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