グリーンマネーは投融資を通じて温暖化ガス削減を進める。資金を投じるに値する企業なのか、おのずと企業の選別は厳しくなる。「2030年のカーボンマイナス」を目標に掲げるコニカミノルタ、国内初のトランジションボンド(移行債)で資金調達した日本郵船。選ばれる企業の条件は。

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 コニカミノルタはカナダの気候変動関連の調査会社が選定する「2021年世界で最も持続可能な100社」に選ばれた。約8000社対象のESG(環境・社会・企業統治)に関する調査で41位に入り、日本から選ばれたのは全部で5社のみだった。気候変動対応の説明会を開けば、アナリストや機関投資家が多数集まる。同社は何が優れているのか。

 30年に「カーボンマイナス」を実現する──。コニカミノルタが掲げる野心的な目標だ。カーボンマイナス達成を可能にするのが、サプライヤーとの共同活動だ。世界的なガイドライン「GHGプロトコル」では、温暖化ガス排出量を算出する範囲を3つに分けている。自社の工場内で排出する「スコープ1」、使用するエネルギーを生み出す際に排出する「スコープ2」。原材料の生産や輸送、自社製品を顧客が使う際に出る「スコープ3」である。

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