地球温暖化対策を話し合う第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)が11月6日、エジプトで開幕した。今年2月のウクライナ危機以降、資源大国ロシアからの依存脱却や燃料価格の高騰により、世界のエネルギー情勢は厳しさを増している。脱炭素の見通しや日本の強みなどについて英エネルギーコンサル企業のERMのトム・ライカートCEO(最高経営責任者)に話を聞いた。

トム・ライカート氏
トム・ライカート氏
米ボストン・コンサルティング・グループから転じ、2022年2月、ERMのCEOに就任。ERMは、社名をEnvironmental Resources Managementの頭文字から取っており、1971年に英国で創業。サスティナビリティー分野に特化したコンサル企業だ(写真:加藤康、以下同)

COP27が6日開幕しました。ウクライナ危機をきっかけに、エネルギー価格が高騰し、途上国は石炭やLNG(液化天然ガス)といった燃料の入手が難しくなっています。

トム・ライカートCEO(以下、ライカート氏):今回のCOP27の開催地がエジプトであるのは、非常に象徴的です。世界は、脱炭素化という変化を求めており、途上国にもそれを求める以上、(先進国は)責任を持って彼らを見なければなりません。先進国は途上国に対し、脱炭素化で年間1000億ドルという従来より1段階高い規模の資金支援をする約束もあります。

 ポイントとなるのは、先進国だけでなく途上国が、脱炭素化を「実行」するための合意を図れるかどうかでしょう。ERMの調査によると、世界の主要企業の8~9割がESG(環境・社会・統治)関連の目標を掲げるものの、具体的な計画を持っている企業は約半数にとどまります。COP27が「実行」に関して確実なメッセージを打ち出せれば、脱炭素化に関わる各企業の事業にもよい影響を与えるでしょう。

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