東京都が2025年4月から、全国で初めて新築の戸建てへの太陽光パネルの設置を義務付ける。設置の必要性は国でも議論されていたが、複数の省にまたがる案件で、議論は停滞していた。自治体が先行する形で脱炭素化が進み、国の施策にも影響を及ぼす可能性がある。

住宅の脱炭素化に向けて、戸建てへの太陽光パネルの設置義務化が進みそうだ(写真:Shutterstock)
住宅の脱炭素化に向けて、戸建てへの太陽光パネルの設置義務化が進みそうだ(写真:Shutterstock)

 「広い土地が少なく、再生可能エネルギーの立地に適さない東京都が決めたことの意味は大きい」。自然エネルギー財団の大野輝之常務理事は、東京都が太陽光パネルの設置義務化の方針を9月に発表したことを受け、こう話した。東京都は関連条例の改正案を12月の議会に出す。

 企業だけでなく自治体も脱炭素化に取り組み、世界の主要都市がクリーンな都市を競い合う時代だ。東京都は2030年までに温暖化ガス排出量を00年比で半減する計画を持つ。住宅からの排出量も多いため、新たな制度を設ける。

 義務化はビルも含めた新築の建物が対象だ。このうち戸建て住宅については、約50社の大手住宅メーカーに設置を義務付ける。これらのメーカーが1年間に建てる戸建てのおよそ半数に当たる2万4000棟程度が該当する見込みだ。

 都内の地域ごとに、メーカーが建てる棟数のうちどれだけの割合でパネルを設けてもらうか、基準を決めている。日照量が多いほど割合が高くなる。例えば、高層ビルが多く住宅に日の当たりにくい千代田区や中央区は30%、一方で目黒区や世田谷区は85%。狭小住宅は対象外だ。

 パネルの設置費用は100万円程度かかるとされる。消費者にとって負担になる可能性もあり、東京都は支援の在り方を今後詰める。

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