前回は「トヨタ、花王、日立……脱炭素で勝ち残るトップ70社はここだ」
脱炭素時代に勝ち残るには、事業構造や経営の仕組みを大胆に見直す必要がある。脱炭素経営ランキング上位の企業は今、どんな挑戦をしているのか。調査に回答した有識者が注目したポイントを追いながら、脱炭素経営の要諦を探る。まずはランキング首位、トヨタ自動車のケースを見てみよう。
競争条件が大きく変化する脱炭素時代を勝ち抜くためには、事業構造や経営判断の仕組み、ステークホルダー(利害関係者)との関係性など、様々な角度から大胆な変革に挑まなければならない。時代の変化を先取りする幅広で長期的な視野を持ちながら、目の前の現実的な課題にも対処していくというバランス感覚もこれまで以上に求められる。
トップ自らが脱炭素を語る
「モビリティー分野をけん引するリーディングカンパニーとして、脱炭素戦略に関連したメッセージを経営トップ自らが発信している」
ランキング首位に輝いたトヨタ自動車には、豊田章男社長の発信力を評価する有識者のこんな声が多く寄せられた。自らテレビCMにも出演し、自社サイト「トヨタイムズ」でも脱炭素に向けた熱意や考え方を訴えてきた。異例の3期連続となる日本自動車工業会会長として、脱炭素政策への提言も重ねている。

主要国が2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)を目指して様々な規制・制度を検討し、電動化技術などを武器に参入する企業も相次ぐ。競争環境が大きく変化し、先が見通しにくい脱炭素時代の経営において、トップ自らが情報を発信し、「顔」が見えることがこれまで以上に重要になった。
もっとも、伝えることの難しさを誰よりも強く感じてきたのも豊田氏だろう。
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