世界で急速に進む「脱炭素」重視のゲームチェンジで勝ち残れるのは誰か。「本気の脱炭素経営」を実践する企業を、専門家68人の投票でランキングした。事業変革への覚悟を持ち、成長の好機に変えようとしている上位70社はここだ。

 「企業動向」と「脱炭素」の両方の視点から、産業界を定点観測している専門家に調査協力を仰いだ。脱炭素経営の本気度と先進性、実行力などで、抜きんでていると評価する企業を1位から10位まで挙げるとともに、その理由を回答してもらった。その結果を点数化し、得点順にランキングした。あえてくだけた表現をするなら、脱炭素経営の目利きによる人気投票と言い換えることもできる。

 形式的な要件や数値に基づく脱炭素の企業ランキングは、過去にも例がある。しかし今回の調査では、むしろ回答者の主観を交えた総合的な評価を目指した。

 経営トップの脱炭素に取り組む覚悟や、時としてリスクや痛みを伴う挑戦など、多くの定性的な要素を抜きにしては脱炭素の練度を評価できないからだ。そのためランキングには、回答者の「印象」も反映されているが、これは金融市場や一般社会のステークホルダーからの評価を推し量る手掛かりになると考えた。

 調査で名前の挙がった企業は、およそ170社。その上位70社をランキング表にまとめた(調査とランキングの概要は、記事末尾に記載)。
「脱炭素経営ランキング」アンケート回答者一覧

 結果は、トヨタ自動車(1位)、花王(2位)、日立製作所(3位)がトップ3になった。それぞれモビリティー、消費財、社会インフラの雄として、脱炭素はもとよりESG(環境・社会・企業統治)経営の先進企業として高く評価されてきた。

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トップ3はトヨタ自動車、花王、日立製作所
トップ3はトヨタ自動車、花王、日立製作所

 トヨタは、2021年12月に電気自動車(EV)事業を大幅に拡大する新たな目標を打ち出した。この点も大きく評価されたようだ。取引先などによる温暖化ガスの排出「スコープ3」の削減に向けて強く働きかけている点など、「すべての気候変動対応が国内トップレベル」との評価を得た。

 花王は、工場の使用電力を100%再生可能エネルギーに転換するエネルギートランスフォーメーション(EX)を各国で展開。日立製作所は、2030年に自社で、50年にはサプライチェーン全体で温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げ、それを着実に実行する仕組みや体制を整備している。

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