「2050年にカーボンニュートラル」の目標は、今までの延長線上では達成できない。産業活動やインフラなどで、これまでの常識を覆す技術的ブレークスルーが必要だ。製鉄、人工合成素材、半導体、微生物発電……。日本企業が取り組む画期的技術開発を紹介する。第1回は日本製鉄の水素還元製鉄。

日本製鉄は今後、商業用の高炉で水素還元製鉄の実証試験を始める予定。試験高炉の成果を反映してこれから操業条件などを詰める。
日本製鉄は今後、商業用の高炉で水素還元製鉄の実証試験を始める予定。試験高炉の成果を反映してこれから操業条件などを詰める。

 東京湾岸沿いにある日本製鉄の中核生産拠点、東日本製鉄所の君津地区。「次はこんなでかい商業炉に挑むのか」。技術開発本部プロセス研究所の熊岡尚・試験高炉プロジェクト推進部長はこのところ、試験高炉の近くにそびえる巨大な第4高炉を見上げるたび、背筋が伸びる思いになる。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2018文字 / 全文2301文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「脱炭素レボリューション」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。